【よくある間違い】温暖化の原因は太陽活動

  気候変動による地球温暖化の原因は、人間活動による二酸化炭素の排出ではなく、太陽活動だと主張する人がいまだに少なくありません。  もちろん、地球が人間の生命維持に適した気温を保っているのは、太陽エネルギーによるもの(太陽は地球のほぼすべてのエネルギー源)なので、そう考えてしまうのも当然なのかもしれません。ただ、二酸化炭素等による温室効果抜きで太陽によるエネルギーだけでは、地球の平均気温は氷点下…

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北極の海氷 ~ 体積

  長期に渡って北極の夏の海氷面積が減少しており、また、複数年とけずに残っている海氷の面積も減少傾向にあるという話をしましたが、それらの現象は、北極海の海氷の体積にも影響を与えます。実際には海氷の厚さはその年や地域によってばらつきがあるので一概にはいえないのですが、単純に考えた場合、面積と分厚い海氷(複数年残っている海氷)が減少すると、全体の海氷の体積も減少すると考えるのが自然だと思います。 …

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北極の海氷 ~ 面積と氷齢

  地球温暖化のサインについての記事の中で、平均気温の上昇に伴って、海氷面積が減少することに触れました。  毎年、9月初旬から中旬にかけて、夏の北極の海氷は最小面積になります。今年は、9月11日に最小面積を記録しました。 Credit: NOAA   2015年の最小面積は、観測史上4番目に小さくなりました。史上3番目の最小面積だった2011年、史上2番目に小さかった2007年に迫るくらい、…

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地球温暖化のサイン

  「気候」と「天気」の違いについての記事で、気候は長期間に及ぶ天気データの統計であるという話をしました。地球温暖化は、数十年に渡って平均気温が上昇傾向にあることを指します。   一般的に、「温暖化」というと気温だけに注目しがちですが、地球全体の平均気温が上昇することによって、様々な場所で様々な現象が起こります。では、その温暖化していることを裏付ける具体的なサインにはどのような現象があるのでし…

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【気候変動対策】「原因」の共有は困難でも、「解決策」の共有はできる

  気候変動を始め、環境問題は良いニュースが少なく、いつ誰がどこでどんな酷い目に遭ったとか、いつぐらいにどの辺に住むどういう人たちがどんな酷い目に遭うかといった内容が主流です。もちろん、再生可能エネルギーが予測よりも早く普及しているなど、中には良いニュースもあります(これも地域によってはあまりよろしくないニュースだったりしますが。日本のメガソーラーとか)が、比率としてはとても小さい印象を受けます…

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「気候」と「天気」の違いと「気候変動」

気候変動の話題でよく誤解されているのが、「天気」と「気候」の違いです。 気象庁気象研究所の「気象の事典(平凡社)」の引用によると、「天気」は「ある時刻または時間帯の気象の状態。時間帯としては、数分からせいぜい2~3日程度」、「気候」は「通常は数十年間という大気の総合した状態の移り変わり」とされています。 デジタル大辞泉によると、「天気」は「ある場所の、ある時刻の気象状態。気温・湿度・…

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AP通信が気候変動『否定派/懐疑派』から『疑問派』へ表現を変更

気候変動の科学(基本的な部分では、「20世紀後半以降の気温上昇の大半は人間活動による温室効果ガスの排出が原因」というもの)を認めようとしない人や特定のグループ(米共和党や共和党に献金している石油系企業やそれらの企業が出資しているシンクタンクとそのお抱え科学者など)は、メディアからこれまで『否定派(deniers)/懐疑派(skeptics)』と呼ばれてきたのですが、今回、AP通信がそれを『気候変…

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Taking climate change seriously

気候変動問題を短いエントリで書き尽くすことはできません。なぜなら、気候変動は科学、環境、倫理、公正・正義、経済、政治、健康、食糧、戦争や紛争、教育、労働、人種・民族…と、その影響は多岐に渡ります。 どの問題からも逃れることはできませんし、どこにいても気候変動の影響を受けずに暮らすことはできません。また、気候変動は、現在地球に存在している世代だけの問題ではありません。今後、数千年先までその影…

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