COP21について知っておくべきこと

  フランスのパリで開催される「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)」を翌日に控え、世界各地ではデモが行われています。  パリでは、連続テロ攻撃の影響で気候変動デモが禁止されましたが、それでも集まった人たちと警察隊が衝突し、200人以上の逮捕者が出ました。   さて、これまでに20回開催されてきた気候変動枠組条約締約国会議ですが、「2100年までの気温上昇を2℃以下に抑える…

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「COP21について知っておくべきこと」の前に「COP21を」知ってもらわなければならないとは

  11月30日から、フランスのパリで「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)」が開催されます。京都議定書に続く、法的拘束力のある新たな気候変動対策の枠組みの国際的合意に向けて約150ヶ国の首脳も顔を揃える予定で、今回に賭ける意気込みが伝わってきます。   さて、「COP21について知っておくべきこと」という記事を書こうと思い立ち、「はて?日本のどれくらいの人が『COP21』を認…

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地球温暖化「ハイエタス」って何?

  ここ数年、地球温暖化に懐疑的な人たちが「ハイエタス(停滞現象)」という言葉を使うことが多くなりました。最も多い主張は、「1998年以降、温暖化が止まっている」というものです。   この主張はいったい何が根拠なのでしょうか?そして、これは科学的に正しい主張なのでしょうか?   この主張が声高に叫ばれるようになったのは、2013年に公表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評…

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テキサス州の一部地域で夜間の電力が無料に

  テキサス州はアメリカの中でとてもユニークな州なのですが、それは州の成り立ちと関係しています。  これまでの歴史の中で、テキサス州はスペイン、フランス、メキシコ、テキサス共和国、アメリカ連合国、そして現在のアメリカ合衆国に至るまで、「シックスフラッグス」と呼ばれる6つの国旗を経てきました。  独立国家であった過去があるため、現在でも強い独立心を持っており、連邦政府の言うことに簡単に従わず(…

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イギリスが2025年までに石炭火力発電を全廃へ

  「国連気候変動パリ会議(COP21)」の開催が迫る中、気候変動関連の様々な動きが活発になってきています。「いつも活発に動いたらええやん」とツッコミを入れたくなるところですが、政治が絡み、かつ世界で最も利益を生み出している化石燃料産業の既得権益に直結する改革を行うとなると、産業側の抵抗が大きく、どうしても動きが鈍くなってしまいます。   国際的な気候変動対策の動きがどれくらい鈍いかというと、…

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最も暑い年&最も暑い5年間へ

  世界気象機関(WMO)が発表したレポートによると、2015年は観測史上最も暑い年になる見込みで、また、2011年から2015年は、観測史上最も暑い5年間を記録する見込みです。   上のグラフは、1950年から2015年までの世界の平均気温を1961年から1990年までの平均気温と比較した偏差を表しています。グレーのバーは通常の年、青のバーはラニーニャ現象の年、赤いバーはエルニーニョ現象…

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アメリカのエネルギー事情

  エネルギー事情は、国によって異なります。近年では、先進国から一部の途上国まで、再生可能エネルギーの導入が著しい増加を見せています。  日本の再生可能エネルギーへの投資(2014年)は、中国、アメリカに次いで世界で3位の約4兆円と、その額の大きさに意外な印象を受けます。しかし、日本の再生可能エネルギーの年間発電量の割合は、世界平均の22.8%に大きく及ばない12.6%(大規模水力を含む)しかあ…

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地球が呼吸しているような植物の季節の移り変わり

  米航空宇宙局(NASA)が、地球上の陸地と海洋における、平均的な1年の植生の変化がわかる動画を公開しました。 NASA animation: Yearly biosphere cycle   陸地の緑は植物の密度を、海洋は植物性プランクトンのクロロフィル濃度を表しています。季節の移り変わりによる太陽の光を浴びる時間の変化が、植物の成長に影響していることがよくわかります。   また、成長…

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世界の大半が「気候変動対策が必要」と回答

  2015年3月に40ヶ国45,435人を対象にピューリサーチが行った気候変動に関する意識調査で、78%の人が「温室効果ガス削減の国際的合意をするべき」、68%が「気候変動の影響を抑制するために、ライフスタイルを変えるべき」、54%が「先進国がもっと努力するべき」と回答し、気候変動対策が必要と考えている人が大半を占める結果となりました。   日本のそれぞれの数字を見てみると、「温室効果ガ…

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2010年以降の米本土の干ばつを30秒で見てみましょう

  エルニーニョが史上最強規模まで発達し、ほぼ地球全体が記録的な暖かさになっていますが、その影響でカリフォルニアを始めとする米西部の州も例外ではなく、観測史上最も暖かい年になるのはほぼ間違いありません。   気候変動による平均気温の上昇や、エルニーニョ現象の後に起こるラニーニャ現象(エルニーニョとは逆の現象で、赤道太平洋東岸の海水温が通常よりも低くなる)の影響を受けて、米西部や南西部、グレート…

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10月の世界平均気温が観測史上最高を記録~観測史上最も暑い年へ

  米海洋大気局(NOAA)のレポートによると、10月の世界平均気温が観測史上最高を記録し、136年の観測史上で最も暖かい10月になりました。これで、今年に入って1月と4月を除くすべての月で観測史上最高を記録したことになります。   陸地と海洋を合わせた10月の世界の平均気温は、20世紀の平均(14℃)と比較して0.98℃高く、5月から6ヶ月連続で観測史上最高を更新しました。また、この20…

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エルニーニョが史上最強規模に

  1997年から98年にかけて続いたエルニーニョ現象に匹敵する強さになるといわれてきた今年のエルニーニョが、今月から来月にかけていよいよピークの時期を迎えます。 Credit: NASA   このGIF画像は、1997年と今年のエルニーニョを比較したものです。太平洋赤道付近の赤い部分は、平年と比較して表面海水温が高くなっている地域です。こうして並べて見ると、ほぼ同じくらいの強さに見えます。…

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地球温暖化の心配をしているアメリカ人は、4人に1人以下

タグ: 気候変動 地球温暖化 温暖化 アンケート 世論調査 研究/レポート   以前、米国民の約半数が人為的地球温暖化に同意しているという記事を書きましたが、今回、AP通信社が行ったアンケート調査によると、65%が「地球温暖化は起こっている」と答え、その原因について51%が「すべてまたは大半が人間活動によるもの」、35%が「人間活動と自然現象が同じくらい原因になっている」と答え、人為的地球温暖…

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TPPの環境関連の項目に批判続出

  10月に、環太平洋パートナーシップ(TPP)に参加12ヶ国が大筋合意に達し(どう考えてもまだ何も決まっておらず、「合意することに大筋で合意に達した」としか思えませんが)、ニュージーランドに続いて英語版の全文を米政府もオンラインに公開しました。   全文の日本語訳はまだ公開されておらず、英語が読めない人は外務省が公開している概要を読んで「なんじゃこりゃ。なんもわからんやないか。」と思うしかな…

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「南極の氷が増加していた」は本当なのか?

米航空宇宙局(NASA)によると、西南極で失われている氷の量を、東南極で増えている氷が上回っており、従来減少しているとされていた南極大陸の氷床が実は増えていたという研究結果を科学誌「Journal of Glaciology」に発表しました。この研究が事実だとすれば、南極の氷床融解は、トータルで考えると海面上昇に寄与していなかったことになります。   同研究によると、1992年から2001年ま…

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温暖化が一部の異常気象を激化・増加させているという研究結果

  米海洋大気局(NOAA)が発表した研究論文「気候から読み解く異常気象2014年度版」によると、32の科学者グループが研究を行った2014年に世界で起こった異常気象28件のうち、半数の14件が気候変動の影響を受けており、残りの半数からは気候変動の影響が見られなかったとのことです。   NOAAによるこのレポートの発表は、今回で4年目と、研究分野としては大変若く、気候変動の影響を測る方法が…

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2015年の平均気温が史上初めて産業革命前比1℃超えへ

 2015年の平均気温が産業革命前を1℃上回るという見通しを、 英気象庁が発表しました。もしも実現すると、年間の平均気温が史上初めて産業革命前比1℃を超えることになり、歴史的な出来事となります。 Credit: Met Office   英気象庁の気温データでは、今年の1月から9月の世界平均気温が産業革命前(1850年から1900年までの平均気温)と比較して1.02℃上回っており、エルニーニ…

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温暖化で海面が約9メートル上昇し6億人に影響する可能性

  海面が6メートル上昇するとどうなるのか?という記事で、Climate Centralのマッピングツールを用いて作成された、気温が2℃上昇した場合と、4℃上昇した場合の、米主要都市における海面上昇の比較地図を掲載しました。   Climate Central の最新のレポートによると、現在と変わらず二酸化炭素排出を続けると、気温は4℃上昇するそうです。  このレポートでは、気温上昇を1.5℃…

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なぜ日毎の平均最高気温よりも、平均最低気温の上昇する速度の方が速いのか?

  アメリカの2015年10月の気候レポートについての記事で、10月の米本土48州の平均気温が史上15番目だったのに対し、最低気温の平均は観測史上4番目に高く、日没以降の気温が下がらない傾向が続いていると書きました。   これは、日中の最高気温よりも、夜中の最低気温の方が上昇傾向にあることを意味します。 ・10月の平均最高気温 ・10月の平均最低気温   上のふたつの図を比較すれば、最高…

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米西部8州が観測史上最も暖かい年になる可能性 ~ アメリカの2015年10月の気候レポート

  NOAA(米海洋大気局)による、米本土48州の気温と降水量などの、気候状態の10月のレポート(State of the Climate)が公開されました。   2015年10月の米本土48州の平均気温は14.1℃で、20世紀の10月の平均よりも約1.8℃高く、121年の観測史上4番目に暖かい10月になりました。最高気温の平均は史上15番目だったのに対し、最低気温の平均は観測史上4番目に高く…

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