海面が6メートル上昇するとどうなるのか?

  気温が産業革命前から摂氏2度上昇すれば、海面はどれくらい上昇するのかという記事で、最悪の場合、2℃の気温上昇が6メートルの海面上昇に繋がるという研究結果について触れました。   では、もしも今後数百年から数千年かけて海面が6メートル上昇した場合、海岸付近の都市はいったいどうなるのでしょうか?   下の米主要都市の地図は、Climate Central のマッピングツールを用いて、左は温室…

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【独り言】キーストーンXLパイプライン建設却下の意味するところ

  キーストーンXLパイプラインの建設認可申請が、オバマ政権によって却下されました。そのことについて書いた別記事では、パイプラインの概要や背景、今後どうなるかについて触れました。   今回の決定を、オバマ大統領によるレガシー作りだと捉える人が多いようです。僕もそれを否定しようとは思いませんし、パイプライン建設が気候変動にどれだけ寄与するのかを超えてキーストーンXLパイプラインはシンボル化さ…

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オバマ政権がキーストーンXLパイプライン建設認可申請を却下

  2008年にカナダのトランスカナダ社が米国務省に建設認可申請を提出し、審査が7年に及んでいた、カナダとアメリカ国境をまたぎ、カナダのアルバータ州からテキサス州メキシコ湾岸を結ぶキーストーンXLパイプラインの建設プロジェクトが、2015年11月6日付でオバマ政権によって却下されました。 Credit: Penn State University   建設費8億ドル(約985億円)のキースト…

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バハマの生物種をより多く絶滅させたのは、気候変動か?それとも人間か?

  今からおよそ1万年から1万1千年前、最終氷期が終わり、更新世から完新世への移行が起こりました。その移行時に、環境の変化に適応できなかった多くの種が絶滅しました。   現代を見てみると、人間活動と人為的気候変動によって、今後多くの種が絶滅するだろうと言われています。   では、更新世から完新世への移行のような自然な気候変動と、人間が流入した後の開発や農業などの活動では、どちらがより生物種の…

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米でパンプキンの収穫量が約半分に。気候変動による降水量の増加が影響か?

  アメリカでは、ちょうどハロウィンも終わり、「次はサンクスギビング(感謝祭)」という雰囲気になってきました。その後は「次はブラックフライデー」「次はサイバーマンデー」「クリスマスホリデー」と盛り上がっていきます。   で、ハロウィンといえば、パンプキンです。何の罪もないパンプキンを切り刻んで、ジャック・オー・ランタンを作ります(私はアートのセンスが著しく欠如しているため、カボチャがもったいな…

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摂氏2度の気温上昇で海面はどれくらい上昇するのか?

  2100年までの気温上昇を、産業革命以前と比較して摂氏2度未満に抑えなければいけないのはなぜなのかという記事の中で、気温が2度上昇すると、2100年までに海面が26センチから82センチ上昇すると述べましたが、このIPCCの予測はとても保守的で、多くの気候科学者が異論を唱えています。   では、他にどのような予測や、2100年よりも先にはどれくらいの海面上昇が予測されているのでしょうか? …

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イエメンに観測史上初めてサイクロンが上陸

  2015年11月3日、紛争が続いているイエメンに、サイクロン「チャパラ」が上陸。イエメンにサイクロンが上陸するのは、観測史上初めてのことでした。 STREETS FLOODED: 51 inches of water in some areas of Mukalla as #Chapala continues to pound #Yemen #اليمن pic.twitter.com/w…

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なぜ気温上昇を「摂氏2度」までに抑えなければいけないのか?

  地球温暖化問題では、必ずと言っていいほど「2100年までの気温上昇を、産業革命以前と比較して摂氏2度未満に抑えなければいけない」という目標を見聞きします。摂氏2度を超えると、大変危険な気候になってしまうと言われていますが、その根拠はなんなのでしょうか? 1. 「摂氏2度」はどこから始まったのか?  この摂氏2度という数字は、1990年代に当時の研究結果などを元に、政治的に決められた国際的な…

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温暖化に伴う極端な猛暑の増加

  気候変動による気温上昇に伴って、熱波や寒波、豪雨による洪水など、極端な気象現象、いわゆる異常気象が増えるといわれています。 Credit: 気象庁   不確かな要素や、地域による違いはあるものの、IPCC第5次評価報告書によると、上図のような長期的傾向が見られます。特に顕著なのは、暑い日や暑い夜、持続的な高温や熱波の増加です。 Credit: 気象庁   上のグラフは、ハドレーセンタ…

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パーム油の環境正義問題

  インドネシアの森林火災の記事の中で、私たち遠く離れた先進国に暮らす者にとって、決して他人事ではないという話をしましたが、たとえ森林火災が起こらなくても、パーム油の生産そのものが、多くの問題を抱えています。   パーム油は、熱帯の湿潤な地域で育つアブラヤシの果肉を搾って作られますが、その約80%がインドネシアとマレーシアで生産されています。これらのプランテーション(農園)は、熱帯雨林を伐採し…

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宇宙からでも見えるインドネシアの森林火災

  8月から始まったインドネシアの森林火災は、まだ鎮火する気配がありません。国際林業研究センター(CIFOR)によると、インドネシアの過去20年間で最悪の森林火災になっており、火災による煙害は約4300万人に影響を与えているそうです。   煙害が原因の呼吸器疾患での死者は10人、患者は50万人に達していると英ガーディアン紙は伝えています。   この森林火災は、パーム油を生産する農地を開拓する…

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