米で700万人が地震発生の可能性が高い地域に居住  米地質調査所

  米地質調査所(USGS)が、米中部から東部にかけての地震発生の危険性を示す最新の地図を公開しました。これまでにもこのような地図は発表されてきましたが、今回の地図には初めて人為的な要因によって誘発される地震も加えられました。 2016年に自然由来もしくは人為的な要因による地震が起こる可能性   上の地図は、2016年に米本土の各地域で地震が起こる可能性を表しています。従来USGSが発表して…

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北極における2016年冬の海氷は、2015年に次いで2番目に小さい最大面積を記録

(注)米国立雪氷データセンター(NSIDC)が海氷の観測方式を変更後、データ補正がなされたために、記事タイトルを変更しました。変更前のタイトルは「北極の海氷の冬季最大面積が2年連続で史上最小を更新」でしたが、データ補正に基づくと2015年の冬季海氷面積の方が小さかったため、2016年は観測史上2番目になりました。なお、本文は訂正・編集を行っていませんので、データ補正後の2015年と2016年の冬…

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米の天然ガスによる発電量が初めて石炭を上回る可能性  米エネルギー情報局

  米エネルギー情報局の報告によると、2016年はアメリカにおける天然ガスの発電量が史上初めて石炭火力を上回ることになる見込みです。 1950年から2016年までのアメリカにおけるエネルギーごとの発電量の割合   2000年にはアメリカの総発電量の50%以上を担っていた石炭火力は、シェールブームによる天然ガスのコスト低下と近年の再生可能エネルギーの台頭によってそのシェアを下げ続け、2014年…

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米国気象学会員の95%以上が気候変動は現実に起こっていると回答

  米ジョージメイソン大学が米国気象学会の会員に対して行ったアンケート調査によると、95%以上が気候変動は現実に起こっていると回答しました。また、80%以上がその原因の半分以上が人間活動であると答えています。   グラフを交えながら、アンケート調査の主な質問と回答を挙げていきます。 ・全体の96%が気候変動は現実に起こっていると回答。起こっていないと答えたのは1%で、3%がわからないと回答。…

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2015年の再生可能エネルギーへの投資が過去最高  日本は世界3位  国連報告

  国連環境計画の報告書「Global Trends in Renewable Energy Investment 2016」によると、2015年の再生可能エネルギーへの世界の総投資額は2860億ドル(約32兆3000億円)にのぼり、過去最高額を達成したそうです。また、その半分以上を発展途上国が投資しており、初めて先進国の投資額を上回りました。 2004年以降から2015年までの再生可能エネル…

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極めて危険な気候変動が50年以内に起こるかもしれないという研究結果

  産業革命前からの気温上昇を2℃以内に抑えることができれば、温暖化による壊滅的な影響を避けることができると言われてきましたが、これは「たぶん大丈夫なんじゃないかな」という程度の政治的な数字で、確かな根拠はありません。もしかすると気温が3℃上昇してもなにも変わらないかもしませんし、逆に1.5℃の上昇でも壊滅的な影響を受けるかもしれません。   また、気温上昇を2℃未満に抑えても、数千年かけて海…

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南太平洋の島しょ国ツバルの男性がニュージーランドで気候難民申請

                  Credit: UNHCR   ここ数年で「気候難民」という言葉を頻繁に耳にするようになってきました。2014年には、ツバルの家族が世界で初めて気候難民として認められ、話題になりました。アメリカでは、つい最近海面上昇によって侵食が進み、島に住み続けることが困難になったルイジアナ州の先住民コミュニティが、米本土初の気候難民として移住するための資金を連邦政府から…

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現在の二酸化炭素排出ペースは過去6600万年で最速という研究結果

                     Credit: FreeImages.com/Claudia Meyer   気候変動の科学に興味を持っている人なら、約5600万年前に起こった暁新世(ぎょうしんせい)・始新世(ししんせい)境界温暖化極大期(Paleocene-Eocene Thermal Maximum、以下PETM)という言葉を見聞きしたことがあるのではないでしょうか。   現在…

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有名ブランドによるパーム油のサプライチェーン管理に不備があるという調査結果

  東南アジアの熱帯雨林の乱開発や泥炭地の野焼きによる大規模な火災、違法な低賃金による労働力の確保、児童労働、先住民の迫害、熱帯雨林を生息地にしているオランウータンなどの動物を絶滅の危機に追い込むなど、その栽培から小売販売までのいわゆるサプライチェーンの深刻な環境正義問題を指摘されているパーム油のことは、以前に取り上げました。   このような問題をなくしていくために、「持続可能なパーム油のため…

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極端な気象現象と気候変動の関連性がより明確になってきたという研究結果

  気象現象の種類によって違いはあるものの、温暖化が進めば極端な気象現象が増加し、激しさや強さが増すということは、これまでの研究結果で明らかになってきており、米海洋大気局(NOAA)が2012年から毎年発表している「気候から読み解く異常気象2014年度版」では、世界で起こった熱波や寒波、干ばつや山火事、豪雨や洪水などと気候変動との関係を分析するなど、この分野の研究は活発になってきています。  …

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2030年までに気温が2℃上昇する可能性があるという研究結果

                   Credit: FreeImages.com/Keith Syvinski   経済成長と人口増加に伴うひとりあたりのエネルギー消費量の増加によって、今後2020年までに産業革命前よりも世界の平均気温が1.5℃、2030年までには2℃を超える可能性があるというオーストラリアの研究チームによる論文が、科学誌「Plos One」に掲載されました。   この研…

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温暖化を心配するアメリカ人が著しく増加

  米世論調査会社のギャラップ社によると、地球温暖化を心配するアメリカ人が著しく増加しました。また、温暖化の原因が人間活動であると考える人も増加しています。   「どれくらい温暖化について心配しているか?」という質問に対して、「ものすごく心配している(37%)」「かなり心配している(27%)」と答えた人の合計は64%と、前回の55%から著しく増加しました。   「温暖化の影響が現れる…

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アメリカで初めて過半数が原発に反対

  米世論調査会社のギャラップ社によると、1994年の調査開始以来、初めてアメリカ人の過半数が原発に反対する意思を表明しました。   今回の調査では、44%が原発に賛成と答えたのに対し、54%が反対と答えました。昨年行われた同じ調査では、賛成が51%、反対が43%だったので、1年で反対する人が11%増加したことになります。   2010年には、賛成が62%、反対が33%と賛成が反対を大き…

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NOAAも2016年2月の世界平均気温は観測史上最高だったと発表

  人工衛星(UAH)、気象庁、米航空宇宙局(NASA)に続き、米海洋大気局(NOAA)のデータでも、2016年2月の世界平均気温が、2月としては観測史上最高を記録しました。また、20世紀の平均気温からの偏差も昨年12月の記録を更新し、137年のすべての月の中で「最も異常に暖かい月」になりました。 2016年2月の世界平均気温の20世紀の平均気温との偏差。単位は左側が摂氏、右側が華氏。   …

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温暖化による海面上昇と人口増加が原因で、2100年までに米沿岸地域で最大1300万人が移住を迫られるかもしれないという研究結果

  2100年までに、地球温暖化による海面上昇と人口増加が原因となり、アメリカの沿岸地域で最大で1300万人が移住を余儀なくされるかもしれないという研究結果(Hauer et al. 2016)が、科学誌「ネイチャー・クライメートチェンジ」に掲載されました。   これまでに発表された研究では、現時点での数字を用いて海面上昇の影響を受ける人口を推定していましたが、それでは実際に影響を受ける人口よ…

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米主要ニュース番組による気候変動に関する報道が減少

  アメリカのメディア報道監視団体「メディア・マターズ(Media Matters)」は、2015年に米主要メディアがニュース番組において気候変動問題を扱った時間が2014年と比較して減少したというレポートを発表しました。   2015年は、気候変動関連のニュースが最も豊富な年で、アメリカにとってもそれは例外ではありませんでした。世界のとんでもない平均気温の高さと比較すると涼しかった(という表…

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気象庁も2016年2月の世界平均気温は過去最高

  衛星によるデータ(UAH)と米航空宇宙局(NASA)に続き、日本の気象庁の発表でも、2016年2月の世界平均気温が同月としての観測史上最高を記録しました。 細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均、直線(赤):長期的な変化傾向。基準値は1981〜2010年の30年平均値。Credit: 気象庁   2016年2月の世界平均気温の偏差(基準年は1981年…

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北極の多年氷(海氷)が激減

  北極の海氷面積が長期的に減少傾向であることについては、比較的頻繁に話題になります。最近では、2月の海氷面積が観測史上最小を記録したことをこのブログでも取り上げたばかりです。   また、以前に海氷面積の話題で氷齢について少し触れたことがあります。   北極の海氷には、冬の間に凍って、夏を越すことなくとけてしまう氷と、1回以上の夏を越して複数年を経過した氷(多年氷)があります。当然のことです…

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【NASA】 2016年2月の世界平均気温が観測史上最高を記録

  米航空宇宙局(NASA)の発表によると、2016年2月の世界平均気温は、同月として観測史上最高を記録しました。NASAのデータでは、2015年10月から5ヶ月連続でそれぞれの月の観測史上最高記録を更新したことになります。 1996年以降の世界平均気温の偏差(偏差の基準は1951年から1980年。単位: ℃)。黒い実線(先端の矢印はそれぞれの月)は測候所のみのデータ、赤い破線(先端の丸はそれ…

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オバマ大統領とトルドー首相が気候変動対策で共同声明

                    Credit: Prime Minister of Canada Justin Trudeau   2015年の歴史的な「パリ協定」合意から3ヶ月が経ち、パリで得たモメンタムが失速していく中で、アメリカとカナダが米ホワイトハウスで行われた会談の後、気候変動対策で共同声明を発表しました。強力な温室効果ガスであるメタンの排出量削減や、飛行機による温室効果ガス…

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