気候変動による地球温暖化の原因は、人間活動による二酸化炭素の排出ではなく、太陽活動だと主張する人がいまだに少なくありません。
もちろん、地球が人間の生命維持に適した気温を保っているのは、太陽エネルギーによるもの(太陽は地球のほぼすべてのエネルギー源)なので、そう考えてしまうのも当然なのかもしれません。ただ、二酸化炭素等による温室効果抜きで太陽によるエネルギーだけでは、地球の平均気温は氷点下18℃なので、二酸化炭素の温室効果を否定することは不可能です。
太陽活動がここ数十年の平均気温上昇の原因である場合、気温の上昇に伴って、太陽活動も活発になっているはずです。
Credit: Skeptical Science
上のグラフは、1880年以降の年間の地球の平均気温と、年間の太陽放射照度の変化を表したものです。それぞれの色の濃い太線は、11年周期の太陽活動に合わせて、11年ごとの移動平均値になっています。1975年以降をみると、平均気温の上昇傾向が続いているのに対し、太陽活動は活発化しておらず、逆に低下していることがわかります。
また、太陽活動が地球の平均気温上昇に与えている影響については多くの研究論文が発表されているのですが、1950年以降、太陽活動に起因する気温上昇は約0.07℃ (Huber and Knutti 2011) というものや、過去300年で太陽活動による気温上昇は0.15℃未満 (Schurer et al. 2013) など、平均気温上昇の10%から15%が太陽活動によるものではないかという結論が主流を占めています。
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