135年間の世界平均気温の上昇を30秒で見てみましょう

  NASA(米航空宇宙局)のゴッダード宇宙研究所(GISS)によると、地球の平均気温は、1880年から2013年の134年間で約0.8℃上昇しています。

  「たった0.8℃やん」と感じるかもしれませんが、平均気温の0.8℃と、1日の中とか、季節によって温度が違う、というのとはわけが違います。世界の1年間の平均気温が0.8℃上昇するということは、そういう1日の中でや季節ごとの気温の変化、地域による気温の変化を全部ひっくるめた平均が上昇して、大気と海洋がまるで違う状態になったということなのです。

  そして、近年はその「たった0.8℃」の違いが原因で異常気象が頻繁に起こるようになってきました。

  でも、大気も海洋も、温度の変化に伴って色が変化するわけじゃありませんから、それでもやっぱり「0.8℃やん」と思ってしまうのもしょうがないかもしれません。

  色が変われば少しくらいはその「たった0.8℃」の大きな変化を感じることができるかも、ということで、NASAゴッダード宇宙研究所の1880年から2014年までの各年の平均気温を5年平均にしたデータを地図で表した、135年間の世界平均気温の変化、つまり、135年間で地球がどれだけ温暖化したかを30秒の動画で見てみましょう。1951年から1980年までの30年間の平均気温をベースに、各年の平均気温と比較して、その差を色で表現しています。青は30年間の平均気温よりも低く、赤が濃くなればなるほど30年間の平均よりも気温が上昇していることになります。

  最後の10秒間のたたみかけるような気温の上昇、特に北極地域に注目して見てください。


IPCC AR5 1986~2005 年平均に対する世界平均地上気温の変化.jpg
1986~2005 年平均に対する世界平均地上気温の変化(気象庁

  135年かけて「たった0.8℃」しか上昇しなかった世界の平均気温が、これから2100年までの85年間で、厳しい温暖化対策を講じた場合で、1986年から2005年の平均気温と比較して約1℃(上のグラフの青線)、何もせずに温室効果ガスを排出し続けると同約4℃上昇します(上のグラフ赤線)。気候科学者たちに「保守的(楽観的)過ぎる」と批判を受けている気候変動に関する政府間パネル(IPCC)ですらこれだけの気温上昇を予測している状況です。

  135年で0.8℃上昇した結果が今の気候だとすれば、今後85年間で私たちの生き方を著しく変えても1℃、このまま何もしないで4℃も上昇した場合、2100年の世界ではいったいどんな気象現象が起こるのでしょうか。どれだけ木々に覆われた山や森が残り、どれだけの生物が生き残っているのでしょう。海抜の低い島しょ国や、沿岸に位置する都市、そしてそこに暮らす人々や生き物はどうなっているのでしょう。

  私たちの子孫は、私たちの世代をどのように語るのでしょう。地球温暖化が続くとどうなるのかをわかっていながら何もしなかった私たちを誇りに思ってくれるのでしょうか。

  問われているのは「どんな世界を未来の世界に残すのか」なのではないでしょうか。

【参照】

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