米でパンプキンの収穫量が約半分に。気候変動による降水量の増加が影響か?

  アメリカでは、ちょうどハロウィンも終わり、「次はサンクスギビング(感謝祭)」という雰囲気になってきました。その後は「次はブラックフライデー」「次はサイバーマンデー」「クリスマスホリデー」と盛り上がっていきます。

  で、ハロウィンといえば、パンプキンです。何の罪もないパンプキンを切り刻んで、ジャック・オー・ランタンを作ります(私はアートのセンスが著しく欠如しているため、カボチャがもったいないという理由で作りません)。

  食べるためにパンプキンを使うのは歓迎します。サンクスギビングといえば、パンプキンパイです。そして、パンプキンパイといえば、これ。

Libbys canned pumpkin.jpg

  Libby's(リビーズ)のパンプキン缶です。親切なことにパンプキンパイミックスの缶詰もあり、無糖練乳と卵を入れて混ぜ、パイ生地に流し込んでオーブンに放り込むだけでおいしいパンプキンパイが焼き上がります。

  ところが、今年は原材料となるパンプキンの収穫量が多雨によって半減しているため、収穫期が終わる10月初旬に獲れたパンプキンを使って作られたパンプキン缶が11月初旬に出荷されると、来夏の収穫期(8月)まではもう在庫がないと販売元のネスレは話しています。

  リビーズは、世界中に流通しているパンプキン缶の85%を占めており、全米で収穫されるパンプキンの90%が、リビーズの本社があるイリノイ州で生産されています。

  今年(2015年)の春から初夏にかけて、イリノイ州では記録的な雨が降りました。イリノイ州の6月の降水量は、平年よりも135ミリ多い約230ミリを記録。パンプキンの成長期である5月から6月にかけては、平年よりも約265ミリ多い、約600ミリの降水量となり、この雨が原因で実をつけない花が多く、結果的に収穫量が半減したそうです。

  また、近年は収穫量が不安定になっており、ネスレは今後の気候の状況を懸念していますが、米気候アセスメントのレポートによると、イリノイ州を含む米中西部では、21世紀半ばまでに平均降水量の増加と、豪雨イベントの増加が予測されており、地域によっては年間の平均降水量が254ミリから381ミリ増加するといわれています。

  気候変動の影響で、今世紀半ばには、パンプキンパイが高価なデザートになっているかもしれません。

【参照】
National Climate Assessment|U.S. Global Change Research Program

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