テキサス州を始め、世界中で導入が著しく伸びている風力発電ですが、「バードストライク(鳥の衝突)」によって多くの鳥が死ぬからという理由で反対する人が少なくありません。
ここで湧いてくる疑問は、「他の電力はどうなのか?」です。太陽光や石油、ガス、石炭、そして核(原子力)発電は、風力発電と比較して鳥の命を奪わないのでしょうか?
調べてみると、U.S. News & World Reportが調査結果を発表していました。
Center for Biological Diversityの専門家によると、太陽光発電によって死ぬ鳥は1,000~28,000羽と、この中では最も少なくなっています。
2013年にBiological Conservationに掲載された研究によると、米本土で風力発電によって犠牲になる鳥の数は、14万から32万8千羽です。
米国務省土地管理局の研究では、石油・ガスによる鳥の死は、50万から100万羽と推測されています。
驚いたのは、石炭火力発電によって死ぬ鳥の数です。研究によると、石炭の採掘や発電時、石炭火力発電起因の気候変動の影響によるものも含め、1ギガワット当たり約5羽の合計約790万羽の鳥が毎年犠牲になっています。
同研究によると、核発電による鳥の犠牲数は、約33万羽と推測されています。
また、別の研究結果では、1ギガワット毎時当たりの鳥の死亡数は、風力発電が0.27羽、核発電が0.6羽、そして化石燃料発電が9.4羽と、化石燃料は風力の約35倍の鳥が死ぬと結論づけています。
ちなみに、2012年に発表された研究によると、猫は年間にアメリカだけで約13億から40億羽の鳥を殺しているそうです。
猫、恐るべし。
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