日本の気象庁の発表によると、世界の11月の平均気温は、平年(1981年から2010年)よりも0.54℃高く、1891年の観測開始以来最高を記録しました。
細線(黒): 各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青): 偏差の5年移動平均、直線(赤): 長期的な変化傾向。基準値は1981~2010年の30年平均値。
Credit: 気象庁
赤で囲んだ部分を見ればわかるように、今年の偏差が大きく跳ね上がっています。過去最も偏差が大きかった2013年の0.31℃を0.23℃も上回ったことになり、今年の11月の異常な暖かさが際立っています。
また、米航空宇宙局(NASA)の観測記録でも、2015年の11月は1880年の観測開始以来最高を記録しました。NASAは平年を1951年から1980年としているため、日本の気象庁とは平年との偏差の値が違いますが、2015年10月の気温の偏差が1.06℃と観測史上最も大きかった(それ以前の最高記録は2007年1月の0.96℃)のに続き、11月の平均気温の偏差も1.05℃と11月では最も大きく、2ヶ月連続で偏差が1℃を超え、今年の秋が異常に暖かかったことがわかります。
With Nov update to GISTEMP, probability of 2015 being a record year is > 99.999% pic.twitter.com/eotioDrFSC
— Gavin Schmidt (@ClimateOfGavin) December 14, 2015
この結果を受けて、NASAゴッダード宇宙研究所の気候科学者であるギャビン・シュミット氏は、2015年が観測史上最も暖かい年になる確率は99.999%であるとツイートしています。また、グラフの2015年の年平均気温の予想値(緑の"2015 Prediction")は、エラーの幅を含めても、産業革命前よりも1℃以上高くなるとされています。
世界の平均気温については、米海洋大気局(NOAA)が数日中にレポートを発表すると思いますが、気象庁とNASAのデータを見る限りでは、NOAAも同様の結果になると考えて間違いないでしょう。

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