2015年は米で山火事の延焼面積と消火活動費用が最大の年に

  2015年にアメリカが森林火災や野火によって焼失した面積は、12月23日時点で9,937,863エーカー(約40,217平方キロメートル)と、過去最大だった2006年の9,871,863エーカー(約39,950平方キロメートル)を上回り、史上最大面積を記録することが確実となっています(全米省庁合同火災センター調べ)。また、USAトゥデイによると、米農務省林野部が消火活動に使った費用の総額は17億ドル(約2,060億円)を超え、歴史上最高額に達しています。

  焼失面積の約4万平方キロメートルがどれくらい広いのか、なかなか想像できないと思いますが、北海道の約半分、または沖縄県を除くほぼ九州全域、日本の約9分の1の面積が、1年に満たない間に、山火事や野火で焼失したと考えれば少しはピンとくるのではないでしょうか。

  最も焼失面積が多かったのはアラスカ州で、アメリカで起こった全山火事の半分以上、510万エーカー(約2万平方キロメートル)を焼失しました。アラスカ州以外では、カリフォルニア州北部、北西部のオレゴン、ワシントン、アイダホの各州で大きな被害が出ました。

  12州で山火事と野火の消火活動にあたった消防士等は延べ約3万人で、2000年以来最多になりました。また、消防隊員13人が亡くなり、4,600棟を超える構造物が損壊しました。

  消火活動にかかった費用の総額に含まれているのは、あくまでも米農務省が注ぎ込んだものだけで、州や群、市が使った費用は含まれていないため、実際の額はさらに膨らむことになります。また、被害額も含まれていません。

  年々増加し、規模が大きくなる山火事や野火に比例して、米農務省林野部が消火活動に要する費用総額の予算に対する割合も大きくなり、1995年には総予算に対して16%だった消火活動費が、今年は52%まで増加しました。米農務省林野部は、このままでは2025年にはこの割合が67%になると見込んでいます。

  以前に、NOAAによる異常気象と気候変動の関連性のレポートについての記事で、人為的温暖化によって山火事や野火が起こる確率は上昇しているものの、2014年にカリフォルニア州で起こった山火事に関しては、気候変動の影響が見られなかったという結論だったと書いた通り、特定の森林火災や野火の原因を気候変動だと断言することはできませんが、気候変動によってアメリカの山火事や野火の規模が現在の4倍から8倍に上昇するという研究結果やレポートもあり、無関係であると考える方が困難な状況です。


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