アメリカは、現在中国に次いで二酸化炭素の排出量がぶっちぎりの世界第2位です。以前、州によってエネルギー政策が違うために、石炭火力発電に依存している州もあれば、原子力や水力を基幹エネルギーにしている州もあるという記事を書きましたが、二酸化炭素の排出量も、エネルギー政策と同じく州によって大きく違います。
州別のエネルギー関連の二酸化炭素排出量(2013年/単位:百万トン)
Credit: 米エネルギー情報局
圧倒的じゃないか我が州は(私はテキサス州在住)。
テキサス州はアメリカでカリフォルニアに次いで人口が多い州なので、総排出量もそれに伴って多くなるのは理解できる範囲ではあります(テキサス州より人口が多いカリフォルニア州の方が排出量は少ないですが)。
人口3位のニューヨーク州の二酸化炭素排出量が全米で9位であるところに注目すると、エネルギー政策が排出量に影響を与えていることがわかるのではないでしょうか。
人口ひとりあたりの州別エネルギー関連の二酸化炭素排出量(2013年/単位:百万トン)
Credit: 米エネルギー情報局
見事なまでに、共和党が強い保守的なレッドステート(共和党の色を指してそう呼びます。民主党が強い州をブルーステートと呼びます)が上位を独占していますが、それはさておき、テキサス州は人口ひとりあたりにすると全米で15位と、それほど酷くない位置につけています(良くもないですが)。グラフを見ると、人口1位のカリフォルニア州や3位のニューヨーク州、4位のフロリダ州などのひとりあたりの二酸化炭素排出量がかなり少なくなっているのがわかります。
ワイオミング州が圧倒的に多いのは、テキサス州に次いで全米2位のエネルギー生産が多い州であるのに対し、人口密度が米本土で最も低く、おまけに冬の寒さが厳しいためと言われています。
テキサス州の名誉回復のために、風力発電の成長ぶりを見てみましょう。
2000年から2013年までの全米上位6州の風力発電の電力供給量(単位:百万キロワット/時)
Credit: 米エネルギー情報局
圧倒的じゃないか我が州は。テキサス州は全米で他州を大きく引き離して風力発電の導入量が多く、テキサス州を国として見た場合に世界で6位の風力発電供給量を誇るのは何度も述べた通りです。それでもまだ州全体のエネルギー生産量のわずか10%に過ぎず、今後のさらなる導入が期待されるところです。
アメリカの二酸化炭素排出量削減は、保守色の強い州での気候変動対策にかかっていると言っていいでしょう。
【参照】
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