2015年12月23日時点で9,937,863エーカー(約40,217平方キロメートル)だったアメリカにおける2015年の山火事による総延焼面積は、12月31日までに10,125,149エーカー(約40,975平方キロメートル)となり、史上初めて1千万エーカーを超えました。
アメリカにおける森林火災や野火による年平均延焼面積(単位: 百万エーカー)
森林火災や野火による延焼面積が900万エーカーを超えたのは、これまで最も延焼面積が大きかった2006年(9,873,745エーカー)を筆頭に2007年と2012年の3回ありましたが、1000万エーカーを超えたのは2015年が史上初めてでした。
米農務省のニュースリリースによると、50件以上の山火事の延焼面積が5万エーカーを超え、そのうち20件は10万エーカーを超えました。焼失した家屋は4,500軒を超え、米森林局の消防士7名を含む13名の荒野専門の消防士が亡くなったそうです。
また、1件あたりの延焼面積が最も大きかった上位3件がアラスカ州で起こっており、上位10件までに米太平洋岸北西部が5件と、カリフォルニア州が2件入っており、規模が大きな山火事は、すべて米西海岸で起こったことになります。これらの地域は、昨年の冬がとても乾燥していたのと、山火事の季節に気温が高かったという共通点があり、温暖化が進むと西部から北西部にかけて冬の乾燥と夏期の気温上昇が進む可能性が高いため、今後も山火事の発生件数と規模は大きくなると考えられます。
アメリカで発生した森林火災や野火による延焼面積。棒グラフは各年の総延焼面積(単位: 百万エーカー)。折れ線グラフは1件当たりの平均延焼面積(エーカー)。点線はそれぞれのトレンドライン。データソースは全米省庁合同火災センター 。
特定の山火事と地球温暖化を関連づけることは大変困難(現在の科学では不十分)ですが、このグラフを見ると、山火事による総延焼面積及び山火事1件あたりの平均延焼面積共に上昇傾向にあり、気温上昇との関連性があると考えるのは不自然なことではないと思います。
米農務省のトム・ヴィルサック長官は、気候変動と長期的な干ばつによって山火事への対応が厳しくなってきていると声明を発表しています。
今年の冬はエルニーニョの影響で降水量が多くなるはずなので山火事は多少緩和すると思われますが、長期的に見ると山火事がさらに深刻化するのは間違いないでしょう。
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