人間活動由来の二酸化炭素が原因で次の氷河期がキャンセル

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  人間活動に由来する二酸化炭素が原因で次の氷河期がキャンセルされるという研究結果が、科学誌「ネイチャー」に発表されました。また、同研究では、完新世の中頃に氷河期に入るのを逃れたことについても触れています。

  研究チームは、氷期の始まりと関連するミランコビッチサイクルと二酸化炭素濃度のデータを用い、コンピュータモデルで過去の地球規模の氷期を分析し、未来の氷期をシミュレーションしたところ、過去と未来の氷期に関して発見がありました。

  まず、過去の氷期については、産業革命によって濃度が急激に上昇する以前に、二酸化炭素濃度がわずかに高かったために、氷期への突入を避けられたことがあったのではないかとしています。産業革命前の二酸化炭素濃度は280ppmですが、完新世の中頃は約240ppmでした。そのままの濃度であれば氷期が始まった可能性が高いのですが、農業や火災、森林の開墾などの人間活動による二酸化炭素排出量が、氷期を避けるには十分だったようです。

  本来ならばミランコビッチサイクルによって、北半球の高緯度地域への太陽エネルギーの放射が減少することで、グリーンランドなどの氷床が増加して氷期に入っていくのですが、産業革命以降の人間活動によって排出された二酸化炭素などの温室効果ガスの気温に与える影響がそれを上回るため、将来的に本来訪れるはずの氷期をキャンセルしてしまうとしています。

  研究では、仮に産業革命前の二酸化炭素濃度(280ppm)を保っていたとしても、今後約5万年は氷期が訪れることはなく、今後の二酸化炭素排出量次第では、次の氷期が始まるのは最長で約10万年先と結論づけています。

  論文執筆者のひとりは、「現在の大気中の温室効果ガスと今後40年から50年かけて排出される温室効果ガスによって、次の2回の氷期が始まることはありません。たとえ我々が気温上昇を2℃未満や1.5℃未満に抑えたとしてもです。氷期は、人類の干渉によってキャンセルされると言っていいでしょう。」と述べています。

  以前にも気候変動否定派がよく使う『地球は氷河期に突入している』という間違った説について記事を書きましたが、現段階では人為的地球温暖化によって氷期はキャンセルされる可能性が高く、氷河期に突入しているなどあり得ないのです。

【参照】
Scientists say human greenhouse gas emissions have canceled the next ice age|Washington Post
Fossil fuel burning 'postponing next ice age'|Guardian

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