Credit: NOAA
米海洋大気局(NOAA)、米航空宇宙局(NASA)、英気象庁によると、2015年はそれぞれのデータで観測史上最高の平均気温を記録しました。11月までの記録を見れば予測できる範囲(11月の時点で2015年が最も暑い年になる確率は99.999%)なので驚きはありませんが、これで2014年に続き2年連続で観測史上最高記録を更新したことになり、本格的に温暖化が再び加速を始めたと考えられます。
2015年のそれぞれの月までの20世紀の平均気温からの偏差の平均(単位: ℃)
Credit: NOAA
上のNOAAのデータによる2つのグラフを見ると、いかに2015年が異常な暖かさだったか一目瞭然です。1年間の世界の平均気温は、20世紀の平均よりも0.9℃高く、昨年(2014年)の観測史上最高記録を0.16℃上回りました。この0.16℃という値は、記録を破る際の最も大きな差となりました。
また、12月の世界平均気温も過去最高を記録し、20世紀の平均との偏差も観測史上最も大きい1.11℃と、これまでの記録(2015年10月の0.99℃)を0.12℃も上回りました。
このNOAAのグラフでも、2015年の暑さが突出しているのを容易に見て取ることができます。NOAAが観測を始めた1880年の平均気温と比較すると、2015年は1℃以上暖かくなっていることもわかります。
1850年から2015年までの世界の平均気温(1961年から1990年)からの偏差(単位: ℃)
Credit: 英気象庁
この英気象庁のグラフでも、1850年の観測開始年から平均気温が1℃以上上昇していることがわかります。また、英気象庁は、2015年の平均気温が、1850年から1900年までの平均気温よりも1℃以上高くなったと述べています。
1880年から2015年までの、世界平均気温(1961年から1990年)からの偏差(単位: ℃)
Credit: NASA
NASAのデータでも、2015年は2014年を大きく上回って、観測史上最高の世界平均気温となりました。NASAゴッダード宇宙研究所の気候科学者であるギャビン・シュミット氏は、もしもエルニーニョ現象が起こっていなくても、2015年は観測史上最も暑い年になったはずと語っています。
2015年は、産業革命前からの気温上昇が1℃を超え、二酸化炭素濃度が最後の300ppm台を記録(恐らく次に400ppmを切るのは早くても数世紀先)するなど、文字通り記録的な年となりました。
通常ならば、「今後、長年に渡り2015年の平均気温の記録が破られることはなさそうだ」と言いたいところですが、2016年が2015年を上回って観測史上最高の平均気温を記録する確率は、95%です。
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