2015年に大規模な干ばつや熱波、洪水など、気象や気候関連の自然災害の影響を受けた人は世界で9,860万人にのぼるという分析結果が、国連国際防災戦略(UNISDR)から報告されました。
レポートによると、観測史上最も暑い年だった2015年は、気候変動とエルニーニョの影響で世界各地で大規模な干ばつが32件報告され、5千万人を超える人たちが影響を受けました。この32件という数字は、直近10年間の平均の2倍以上であるということです。
2015年は、合計で346件の自然災害が報告されており、死者は22,773人を数え(うち、ネパールの地震による死者は8,831人)、9,860万人が負傷したり、家屋を失うなどの被害を受け、経済的損失は665億ドル(約7兆5千億円)にのぼりました。
また、2015年に自然災害の数が過去最高を記録した国は、中国(26件)、アメリカ(22件)、インド(19件)、フィリピン(15件)、インドネシア(11件)の5ヶ国で、近年干ばつや洪水、台風などによる大きな被害を受けたというニュースがよく伝えられている国々が名を連ねています。なお、日本で報告された自然災害は7件でした。
干ばつや洪水などの気候や気象関連の自然災害が92%を占めており、UNISDRのロバート・グラッサー氏は「今回の分析結果による主要なメッセージは、現在から未来にわたり、自然災害によるリスク軽減に取り組んでいる国々にとって、温室効果ガス排出量の削減と気候変動への適応が不可欠であるということです。」と述べています。
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