前回のアップデートから約1ヶ月が過ぎ、史上最強規模まで成長したエルニーニョ現象は、以前の予想よりも緩やかであるものの、引き続き勢力を弱めています。
2015年11月25日から2016年2月10日までの赤道太平洋付近における海面温度の平均偏差(℃)
Credit: NOAA
前回のアップデート時(1月13日)よりも、ペルー沖の海水温が通常へと戻り始めている様子がわかります。これは、次のグラフを見ればより顕著です。
(左)上のGIF動画の後半4週間分の静止画像
(右)赤道太平洋付近における1年間の海面温度の平均偏差の変化
Credit: 共にNOAA
左の地図のペルー沖(太平洋東岸)の海水温に注目すると、赤かった部分が、オレンジから白へと移り変わり始めています。これは、平年よりも高かった海水温が、通常へと戻り始めていることを表しています。右のグラフの一番下、Nino 1+2は、そのペルー沖の海水温の偏差を表しており、他の海域に比べて急激に海水温が下がり始めていることがわかります。エルニーニョ現象が終息に向かっていることを表しています。
これまでに何度も述べたように、エルニーニョは今後も緩やかに勢力を弱め、初夏には通常の状態に戻ると予測されていますが、ピークを過ぎてもエルニーニョの影響は続いており、今後もまだ数ヶ月は干ばつや洪水などの極端な気象現象は世界各地で続くと思われるため、引き続き警戒は必要であり、深刻な被害を受けている国々の救済も必要です。
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