鉛に汚染されている水に最も高い水道代を払わされている米ミシガン州フリント市民


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フリントとアメリカの私有企業、自治体、米主要都市の年間の平均水道料金の比較

  上の表は、ミシガン州フリントと、アメリカの私有企業や自治体、米主要都市の年間の水道料金を比較したものです。フリント市民は、鉛に汚染され健康を蝕んでいる水に年間平均864.32ドル(97,600円)と、Food & Water Watchが調査した約500に及ぶアメリカの企業や自治体の中で最も高い水道料金を支払わされています。

  ミシガン州の水道料金の平均は323.47ドル(36,526円)、フリント川に水源を変更する前に水を引いていた同州デトロイトの水道代は年平均249.73ドル(28,200円)です。フリント市民はミシガン州の平均の約2.7倍、デトロイト市民の約3.5倍の料金を払って、鉛に汚染された水を飲まされているのです。

  他の州の都市と比較するとこの差はさらに広がります。フロリダ州マイアミの年間平均水道料金はフリントの約13%の116.46ドル(13,150円)、最も安いアリゾナ州フェニックスの水道代はフリントの10%以下の年平均84.24ドル(9,500円)です。

  国連開発計画は、上下水道のサービスはすべての人に「手頃な価格」で供給されなければならず、その「手頃な価格」を「年収の3%未満」としています。フリント市民の年間平均所得は24,834ドル(約280万円)、年平均上下水道料金が1,680.24ドル(約19万円)なので、上下水道の料金は年収の約6.8%で国連開発計画の推奨する3%の2倍以上となり、手頃と呼ぶには程遠い状態です。

  上下水道料金を35%低くするようにと裁判所がフリント市に命令していますが、これに対し市は「市にとって財政的に大きなダメージになる」とし、控訴するとしています。

  しかし、仮に上下水道料金が35%安くなっても、年収に占める割合は4.4%までしか下がらず、「手頃な価格」とは言えません。フリント市民の上下水道料金の適正価格は、年間745ドル(84,127円)未満でなければなりません。

  フリント市は、米議会に15,000本の鉛製水道管を交換するための費用として5,500万ドル(約62億円)の資金援助を米議会に求めていますが、たとえ費用を確保できたとしても交換には1年かかると言われており、それまではペットボトルの水を飲料用として、それ以外には汚染水の利用を強いられます。

  多くの市民はフリントから引っ越したいと言っていますが、所有している不動産が売れるはずもなく、留まる以外の選択肢を持たない市民がほとんどです。

  水道管が交換され、安全な水が手頃な価格で供給されるようになるまで、フリント市民の不安が尽きることはないのです。


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