会員を含む100人以上の気候科学者や地球科学者が、連名で米国地球物理学連合(AGU: American Geophysical Union)の会長宛に、同連合が秋に開催するミーティングのスポンサーになっているエクソンモービル社との契約を解除するように求める文書を送付しました。
「地球温暖化の父」と呼ばれ気候変動問題では最も有名なジェームズ・ハンセン氏や、「ホッケースティック」で有名になったマイケル・マン氏などを含む科学者らは、同社が気候変動の深刻さを知りながら、長年にわたって嘘の情報を流し、世論や政治に影響を与えて気候変動対策を妨害したことなどが、AGUのポリシーに反するとしています。
近年にも、エクソンモービル社は気候変動の科学を否定し、世論に誤解を与えるような情報を流す科学者や団体に資金提供をしたり、その資金力を駆使して米共和党の議員に働きかけ、気候変動対策の法案の通過を阻止してきました。
科学者らは、エクソンモービル社のこのような活動が、AGUの「誤情報を流すような団体から資金援助を受けない」というポリシーに反するとし、同社とのスポンサー契約を解除するように要求しています。
それに対し、AGUの会長は同連合のブログで声明を発表しています。会長は、文書の内容を調査したうえで4月に開催される理事会に諮るとしながらも、エクソンモービル社の現在の気候変動問題に対する姿勢と科学者の文書の内容が一致しておらず、エクソンモービル社が現在そのような活動をしているという確かな証拠はないと反論しています。
また、誤情報を流し気候変動対策の妨害をした過去を理由にある組織を除外するのではなく、多様性を受け入れることが最良の選択であるとし、ニューヨークの検事総長が行っているエクソンモービル社の気候変動に関する嘘情報の捜査の今後の行方なども注視しながら、詳しく調査したうえで結論を出すとしています。
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