現地時間の2月28日に、アメリカで「第88回アカデミー賞」の授賞式が行われ、これまで5度ノミネートされながら一度も受賞したことがなかった俳優のレオナルド・ディカプリオが、初めて主演男優賞を受賞しました。そしてその受賞スピーチの最後に、彼が10年以上にわたって取り組んでいる気候変動問題について訴えかけました。
内容は、以下の通りです(動画の1分58秒あたりから)。
『レヴェナント』の製作は、人間と自然界の関係を物語っていました。2015年に私たちが感じたのは、歴史上最も暑い世界でした。私たちは、雪を見つけるためにこの星の南の端まで移動する必要がありました。気候変動は現実です。今まさに起きているのです。気候変動は、私たちすべての種が直面している最も差し迫った脅威であり、私たちは先延ばしにするのをやめ、ひとつになって行動しなければなりません。私たちは、巨大な汚染者たちや大企業ではなく、全人類、世界中の先住民たち、最も影響を受けている何十億の恵まれない人たち、子どもたちとその子どもたち、その声を強欲な政治によってかき消されてきた人たちを代弁している指導者たちを支えていく必要があります。今夜、この素晴らしい賞を授けられたことをすべてのみなさんに感謝します。この星の存在を当たり前だと思わないようにしましょう。私も今夜のことを当たり前のことだとは思いません。
僕は、彼が2007年に製作した環境ドキュメンタリー映画『The 11th Hour』で、環境保護活動家としての彼を知りましたが、それよりもずっと以前から気候変動問題に関心を持っていたようです。特にここ数年の彼は、国連や気候変動会議、ダボス会議などで積極的に早急な対策実施を訴えるなど、気候変動に関連する活動に力を注いでいます。
気候変動問題について声をあげ続けるのは、容易なことではありません。気候変動否定派からは激しい攻撃を受け、ソーシャルネットワーク上でも気候変動を信じない人たちから心ない言葉を浴びせられます。それらは、とても「批判」とは呼べない低俗な個人攻撃の類です。
僕も、このブログやTwitter、Facebookなどのメディアで気候変動問題について書いていますが、気候変動を信じない、信じたくない人たちの根拠のない(若しくは事実だと信じている嘘または神話を根拠に)、ただ気候変動を否定する言葉や、人格を否定する言葉を投げつけられることもありますが、彼のような存在に救われることは少なくありません。
また、彼の影響を受けて気候変動をはじめとする環境問題に関心を持った人や、行動を始めた人もいるはずです。そういう人たちにとって、彼が発信するメッセージ、発信し続けるその行動から得られる動機や勇気は決して小さくはないでしょう。
彼には、気候変動を扱った映画を製作する予定もあるようです。今後も、活動家としての彼から刺激を受けながら、発信を続けていこうと思います。
Cheers, Leo! Well deserved.
(注)トップの画像は、彼の出演作品『華麗なるギャツビー』(原題: The Great Gatsby)からのもので、『レヴェナント』とは関係ありません。
【あわせて読んでほしい記事】
この記事へのコメント