2月は衛星、気象庁、米航空宇宙局(NASA)、米海洋大気局(NOAA)などの主要機関のデータで観測史上最も異常に暖かい月になりましたが、温暖化に加えてエルニーニョの影響がまだ残っている3月の世界平均気温も観測史上最も偏差が大きくなるのではないかと予測されています。
その先頭を切って、アラバマ大学ハンツビル校の衛星(UAH)による3月の対流圏下部の世界平均気温が発表され、予想通り1979年の観測開始以来、最も暖かい3月となりました。
1979年から2016年3月までの衛星(UAH)による対流圏下部の世界平均気温の偏差(赤い線は13ヶ月平均。偏差の基準は1981年から2010年)
Credit: Roy Spencer
2016年3月の対流圏下部の世界平均気温の偏差は+0.73℃と、2月の+0.83℃よりは小さいものの、3月としては観測史上最高を記録。1998年の4月(エルニーニョ現象の2年目にあたり現在と状況が類似)と並んで、すべての月を通じて観測史上2番目に大きな偏差となりました。
衛星による気温の観測データを公表しているアラバマ大学ハンツビル校の気候科学者のロイ・スペンサー氏は、2月と3月の異常な高温はエルニーニョ現象の影響がピークを迎えたためとし、今後は気温が下がりはじめるだろうと自身のブログで述べています。
また、2016年が記録的な暑さになるかどうかは、現段階で今夏の終わり頃から秋にかけて始まると予想されているエルニーニョの逆の現象であるラニーニャへの移行がどれくらいの速さで起こるかにかかっていると説明しています。
衛星に続くその他の気温データでも、恐らく2月のような異常に大きな偏差にはならないと予想されていますが、2月の数字がなければ、この3月の数字はとんでもなく異常な偏差として受け止められていたと思います。
気象庁、NASA、NOAAによる3月の世界平均気温は、中旬に発表される予定です。
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