気象庁の発表によると、2016年3月の世界平均気温が1891年の観測開始以降最高を記録し、最も暖かい3月になりました。
細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均、直線(赤):長期的な変化傾向。基準値は1981〜2010年の30年平均値。
Credit: 気象庁
3月の世界平均気温の偏差(基準年は1981年から2010年)は+0.62℃で3月としては観測史上最も大きく、今年2月と並び、2015年12月に次いで2番目に大きな偏差となりました。
また、20世紀の平均気温と比較した偏差は+1.07℃で、今年2月と昨年12月の+1.04℃を超えて観測開始以来すべての月の中で過去最大を記録し、3月は観測史上最も異常に暖かい月になりました。20世紀の平均気温との偏差が+1℃を超えたのはこれで3度目になります。
さらに、今年に入ってからの3ヶ月間も、観測史上最高の世界平均気温を記録しています。
もうひとつおまけに、世界平均気温は2015年5月から11ヶ月連続で各月の観測史上最高を更新し続けており、私たちは最も暑い11ヶ月間を生きていることになります。
1981年から2010年までの世界平均気温との偏差。破線はエルニーニョ現象が起こった翌年(1997年から98年、2009年から10年、そして今回の2015年から16年)。各月の値は、それぞれの月までの平均値(例えば、2月は1月と2月の偏差の平均。6月は1月から6月までの偏差の平均。)
Credit: 気象庁
上のグラフは、2016年1月から3月までの世界平均気温の偏差と、気象庁の記録で最も暖かかった7年を比較したものです。今年の異常な暖かさが際立っています。また、今年と同じエルニーニョの2年目にあたる破線で表示されている年(1998年と2010年)と比較しても、今年の暖かさが異常であることがわかります。
3月がエルニーニョ現象の影響のピークであろうことと、エルニーニョが終息して平均気温が低くなるラニーニャ現象へと移行することにより(今年の夏から秋にかけてラニーニャ現象が発生すると予想されています)、今年の後半は気温が低下すると考えられているため、2015年のとんでもなく異常だった観測史上最高の世界平均気温を今年の気温が更新するかどうかは、ラニーニャ現象の発生時期とその強さ次第と言っていいでしょう。
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