温暖化によって職場環境が悪化し生産性が低下するというレポート  国際機関

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                   Credit: FreeImages.com/Patrick Moore

  気候変動による気温上昇が原因で、後発開発途上国を中心に熱中症などの暑さが引き起こす疾病に罹患する屋外労働者や工場労働者が増加する恐れがあり、暑さから労働者を守るために労働時間が最大で10%減少するなどの生産性の低下が懸念されるというレポートを、国連国際労働機関(ILO)、気候変動に脆弱性を持つ諸国会議、国連開発計画(UNDP)、国際移住機関(IOM)などが世界保健機関の協力を得て発表しました。

  暑さによる生産性の著しい低下が予想されるインドやインドネシア、ナイジェリアなどは経済への悪影響が及ぶ可能性があり、世界全体の生産性低下による経済損失は、2030年までに2兆ドル(約214兆円)を超えると報告書は指摘しています。

  過度の暑さに見舞われることが予測される地域は、アメリカ南部、中央アメリカ、カリブ諸国、南アメリカ大陸北部、北アフリカ、西アフリカ、南アジア、東南アジアなどを含め、最も暑さに対して脆弱なのは小島しょ開発途上国と屋外労働者や空調設備が整っていない職場で働く人が多い途上国と言われています。

  このような環境で働いている人は10億人を超えていますが、気候変動が労働者に与える影響をそれらの国や国際社会は的確に把握できていないそうです。

  また、暑さ対策を行わなければ熱性疲労や熱射病を引き起こし、最悪の場合は死に至る危険性もありますが、パリ協定の目標を上回る温室効果ガス排出量の削減を行えば、職場環境における健康被害と経済損失を大幅に減らすことはできます。それでも、最も影響を受ける地域では2030年までに酷暑の期間が1ヶ月増えると報告書は指摘しています。

  これまでにも、東南アジア諸国において暑さが労働者の健康問題を引き起こし、生産性が著しく低下すると指摘する研究結果や、このまま平均気温が上昇すると、世界平均で一人あたりの国内総生産が2100年までに約23%減少するという研究結果も発表されており、気候変動対策の迅速な実行による気温上昇の抑制とともに、暑さから労働者を守るための対策作りを急がなければなりません。

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