19世紀後半以降の世界の気温の変化を表すグラフといえば、ある年から直近の年や月までの平均気温の偏差の折れ線グラフと、特定の年の1月から12月までの偏差を重ね合わせた折れ線グラフが主流です。
前者はこれです。
Credit: Met Office
上のグラフは、1850年から2015年までの英気象庁のHadCRUT、米海洋大気局(NOAA)、米航空宇宙局(NASA)のGISSデータによる世界平均気温の偏差(基準年は1961年から1990年)を比較したものです。
後者のグラフはこういう感じのものです。
Credit: Climate Lab Book/Ed Hawkins
これは、英気象庁のHadCRUT4のデータを基に、1850年以降の各月における世界平均気温の偏差(基準年は1850年から1900年)を表したもので、英レディング大学の気候科学者であるエド・ホウキンス氏によって作成されました。
そして、同氏は上のグラフを基に、これまでになかった世界平均気温の偏差を表すグラフを作成しました。
Credit: Climate Lab Book/Ed Hawkins
産業革命以降(1850年以降)の世界平均気温の上昇が、パリ協定で目標に定めた2℃上昇と努力目標である1.5℃にどれだけ近づいているのかをアニメーションGIFによって表現したこのグラフはわかりやすく、インパクトの強いものになっています。
このアニメーショングラフで見る限り、それも特に直近の20年くらいに注目すると、パリ協定で島しょ国などに配慮して明記された「1.5℃未満」は困難ではなく不可能に近いのではないかという印象を受けるかもしれませんが、その印象は正しいのでそのまま持ち続けていいと思います。
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