以前、1850年以降の世界平均気温を従来型の折れ線グラフや棒グラフではなく、GIFアニメーションを用いてビジュアルに訴えたスパイラルグラフ(下の画像を参照)を紹介しました。
英レディング大学の気候科学者、エド・ホウキンス氏によって作成されたこのスパイラルグラフを見た米国地質調査所(USGS)のジェイ・アルダー氏は、気候モデルによる2100年までの気温上昇をこのグラフで表そうと思い立ちました。気温予測に用いられたのは、IPCCの最悪のシナリオ(RCP8.5)です。
その結果がこれ。
Credit: USGS (オリジナルGIFアニメーション画像)
このアニメーショングラフは、1850年から2100年までの世界平均気温の偏差(基準は1850年から1900年の世界平均気温)を表しています。
このままこれまで通りの経済活動と生活を続けて温室効果ガス排出量を削減しない場合、2100年の大気中の二酸化炭素濃度は現在と比較して比約3.4倍の1,370ppmまで上昇し、気温は2100年までにすべての月で産業革命前比で5℃以上高くなると予測されています。
現在、世界の平均気温は産業革命前と比べて1.5℃上昇のボーダーラインにあります。パリ協定では2100年までの気温上昇を2℃未満に抑えることを目標に、さらに島しょ国などの後発開発途上国に譲歩する形で1.5℃未満を努力目標に掲げていますが、今の世界各国の温室効果ガス削減目標では、1.5℃未満どころか2℃未満すら不可能なのが現状です。
このスパイラルグラフが現実にならないようにするためには、早急にパリ協定を批准して気候変動対策を実施し、その後の見直しでさらに高い目標を設定して実行するしかありません。
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