米航空宇宙局(NASA)と日本の気象庁に続き、米海洋大気局(NOAA)が2016年5月の世界平均気温を発表し、同月としては観測史上最高を記録しました。これにより、昨年5月から13ヶ月連続で世界平均気温は各月の観測史上最高記録を更新し、今年に入ってから5月までは観測開始以来最も異常に暖かい5ヶ月となりました。
2016年5月の世界平均気温の偏差(基準は20世紀)。単位は左側が摂氏、右側が華氏
NOAAによると、2016年5月の世界平均気温は14.8℃で、20世紀の平均気温よりも0.87℃高く、昨年の観測史上最高記録を0.02℃上回りました。これによって世界の平均気温は2015年5月から13ヶ月連続で各月の観測史上最高を更新しており、この記録は1880年の観測開始以来最長となっています。
また、+0.87℃という偏差は昨年8月以来最も小さく、同12月から5ヶ月間続いていた1℃を超える偏差も5月で途切れました。この偏差は2015年6月と同年8月と並んで観測開始以来1637ヶ月の中で12番目に大きな値になりました。また、観測史上最も大きな偏差の記録15個のうち13個が2015年2月以降の15ヶ月間に集中しています。残りのふたつは、それぞれエルニーニョ2年目にあたる1998年2月と2007年1月に記録しています。
2016年を含むそれ以前の観測史上最も暖かかった8年の各月までの偏差(基準は20世紀の平均気温)の平均。破線はエルニーニョ現象が発生した翌年。
1月から5ヶ月間の世界平均気温の偏差は+1.08℃と、昨年の同期間を0.24℃上回る観測史上最高を記録し、1880年以降で最も異常に暖かい1月から5月となりました。
NASA、気象庁、NOAAと主要気象機関による5月の世界平均気温が出揃いました。気象庁のデータでは観測史上最高の更新が12ヶ月で途切れましたが、NASAとNOAAのデータでは5月までそれぞれ8ヶ月連続、13ヶ月連続で各月の観測史上最高記録の更新が続いています。しかし、NASAもNOAAもここ2ヶ月の気温の低下傾向と過去最高だった昨年6月の偏差を考慮に入れると、観測史上最高の連続更新は5月が最後になるかもしれません。
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