4月と5月の1年間における二酸化炭素濃度上昇幅が過去最高レベルに

  二酸化炭素濃度の上昇が過去にない速さで進んでいます。以前にも記事にしましたが、強いエルニーニョ現象が発生した年からその翌年にかけて二酸化炭素濃度は大きく上昇するため、終息したばかりの今回のエルニーニョと同規模だった1997年から98年にかけてのエルニーニョ時と同じように、今年は二酸化炭素濃度が大きく上昇すると予測されていました。

  それを裏付けるように、今年2月のハワイ州マウナロアにおける月平均二酸化炭素濃度が2015年の400.26ppmから404.02ppmと、1年間の上昇幅で過去最高の3.76ppmを記録しました。

  続く3月の前年からの上昇幅は3.31ppm(401.52ppmから404.83ppm)と小さくなりましたが、4月には2月の記録を破って過去最高の上昇幅となりました。

Monthly mean CO2 at Mauna Loa Hawaii as of 2016-04.jpg
2012年から2016年4月までのハワイ州マウナロアにおける平均二酸化炭素濃度(単位: ppm)
Credit: NOAA

  月平均二酸化炭素濃度は、2015年4月の403.26 ppmから、今年の4月は407.42ppmへと過去最大となる4.16ppmの上昇を記録しました。

  昨年5月から今年5月にかけての二酸化炭素濃度の上昇幅は、今年2月と同じ3.76ppmと観測史上2番目となり、依然として過去に例を見ない速さで二酸化炭素濃度が上昇しています。

  二酸化炭素濃度は例年5月にピークを迎え、9月から10月にかけて最も低い値になりますが、今年の秋は二酸化炭素濃度が400ppmを切らないのではないかといわれています。

  それが実現すると、私たちが生きている間に二酸化炭素濃度が400ppmを切ることはもう二度とないかもしれません。

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