ラニーニャ現象発生は秋以降か 勢力は弱め

  史上最強レベルまで強くなり、世界各地、特に開発途上国に大きな打撃を与えたエルニーニョ現象が終息し、緩やかにエルニーニョとは逆の現象であるラニーニャへの移行が続いています。ラニーニャは早ければ夏に始まるといわれていましたが、予想よりもニーニョ3.4海域(北緯5度から南緯5度と西経170度から同120度)の海水温低下が遅くなっており、ラニーニャ現象は秋以降に発生する可能性が高くなってきました。

Central pacific SST animation temp anomaly as of 2016-07-06.gif
Credit: NOAA

  上のGIF動画は、2016年4月20日から6月7日までの赤道太平洋付近における海表面温度の偏差(基準年は1981年から2010年)を表しています。緩やかにですが、ペルー沖(太平洋東岸)から赤道太平洋中央付近の温度が下がってきているのがわかります。

ENSO probability mid June 2016.gif

  これは、ニーニョ3.4海域の海表面温度の偏差が+0.5℃以上(エルニーニョ:赤)、+0.5℃未満から-0.5℃を超える範囲(ニュートラル:緑)、そして-0.5℃以下(ラニーニャ:青)になる確率を表したグラフです。横軸は月の頭文字(例:JJAはJune, July, Augustの意味)で、ニーニョ3.4海域における海表面温度の3ヶ月平均を意味します。つまり、最初の6月から8月は、ラニーニャの状態になる確率が37%、ニュートラルの確率が62%と読み取ることができます。この6月中旬に更新されたグラフを見る限りでは、秋以降にラニーニャへと移行する確率が60%から65%となっています。

2016 Plume of Model ENSO Predictions Mid-June.gif

  上のグラフは、コンピュータモデルがどれくらいラニーニャが強くなるかをシミュレーションした結果を表しています。見にくいですが、太い実線が動的モデル、統計モデルなどの平均値なのでそれを目安にすると、偏差が-1℃を下回ることはなさそうです。偏差が-1.5℃以下になると強いラニーニャと呼ばれるので、シミュレーション通りに-1℃を上回るとすれば、比較的弱いラニーニャといえるでしょう。

  以前の記事で触れたように、強いエルニーニョのあとには必ずラニーニャが発生していますが、ラニーニャが必ず強くなるかというとそんなことはないため、秋以降に発生するであろうラニーニャが弱いものであっても驚きはありません。ただ、エルニーニョとラニーニャは予測が困難なため、何かをきっかけに急激に強いラニーニャに成長したとしてもまた驚きはありません。

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