米海洋大気局(NOAA)は2016年6月の世界平均気温が観測史上最高を記録し、最も暖かい6月になったと発表しました。これで世界の平均気温は2015年5月から14ヶ月連続で各月の観測史上最高記録を更新しています。また、今年1月から6月までは、観測開始以来最も異常に暖かい6ヶ月になりました。
2016年6月の世界平均気温の偏差(基準は20世紀)。単位は左側が摂氏、右側が華氏
Credit: NOAA
2016年6月の世界平均気温の偏差(基準は20世紀の世界平均気温)は+0.90℃で、昨年の観測史上最高記録を0.02℃上回りました。これによって世界の平均気温は2015年5月から14ヶ月連続で各月の観測史上最高を更新しており、1880年の観測開始以降最長の連続記録となっています。
この+0.90℃という偏差は、2015年3月と並んで観測開始以降1638ヶ月の中で9番目に大きな値となっています。観測史上最も大きな偏差の記録15個のうち14個が2015年2月以降の15ヶ月間に集中しており、この期間以外の唯一の記録は今年同様エルニーニョが発生した翌年にあたる2007年1月だけとなっています。
また、それぞれの月の世界平均気温は378ヶ月連続で20世紀の平均を上回っています。20世紀の世界平均気温を下回ったのは、1984年12月が最後となっています。実に30年以上世界は20世紀の平均気温を上回り続けていることになります。
2016年を含むそれ以前の観測史上最も暖かかった8年の各月までの偏差(基準は20世紀の平均気温)の平均。破線はエルニーニョ現象が発生した翌年。NOAAのデータから作成。
2016年に入ってからすべての月で観測史上最高を更新したので当たり前ですが、1月から6ヶ月間の世界平均気温の偏差は+1.05℃で、昨年の同期間を0.20℃上回って観測史上最高となり、1880年の観測開始以来最も異常に暖かい1月から6月となりました。
エルニーニョ現象が5月に終息を迎えてラニーニャへの移行が進む中で、6月の世界平均気温は昨年を下回るのではないかと予想する科学者も少なくなかったのですが、予想以上に暖かくなっているのは、バックグラウンドで進んでいる気候変動の影響が大きいと考えていいでしょう。
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