リオ五輪開会式で気候変動の重要性を訴えるメッセージ

Rio Olympic 2016 Opening Ceremony.jpg
       Credit: Getty Images/Clive Brunskill

  ブラジルのリオデジャネイロでオリンピックが始まりましたが、その開会式で気候変動問題の重要性を訴える箇所があり、話題になりました。

  今回のオリンピックにおけるテーマのひとつは持続可能性です。世界の熱帯雨林のおよそ3分の1、アマゾンの熱帯雨林の約60%が広がるブラジルで開催されるオリンピックにふさわしいテーマではあります(その一方で熱帯雨林の乱開発を止めることはできていませんが)。

  開会式で見られた植物による緑の五輪マークは、207の国と地域の1万人を超えるアスリートたちに渡された、ブラジル固有の植物の種と土がラディカルパークに植えられ、アスリートの森として育ったときのイメージなのだそうです。



  さらに、北極の海氷が融解していく様子や、海面上昇によって沿岸都市であるアムステルダム(オランダ)やドバイ(アラブ首長国連邦)、フロリダ南部(アメリカ)、上海(中国)、ラゴス(ナイジェリア)、そして開催都市のリオデジャネイロがどのような影響を受けるか(都市のどの部分が海に沈むか)を表した地図も映像として流されました。


  開催国のブラジルでは、干ばつや集中豪雨、ジカ熱の流行(ジカ熱への感染を懸念して五輪参加を見送ったアスリートもいます)など、気候変動が寄与しているとみられる現象が深刻化しています。また、リオ五輪のテーマのひとつである持続可能性に加え、2年連続で世界の平均気温が過去最高を記録し、今年も観測史上最高を記録するのはほぼ確実と予想される中、世界中の注目を集めるオリンピックの開会式で気候変動の深刻さと重要性を30億人ともいわれる視聴者に訴えるのは自然な流れだったのではないでしょうか。

【あわせて読んでほしい記事】

にほんブログ村 環境ブログ 地球環境へ

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック