南カリフォルニアで発生した大規模な山火事がやっと73%鎮火

  干ばつが続く米カリフォルニア州南部のサンバーナーディーノで2016年8月16日に発生した大規模な山火事による延焼面積は20日までに37,020エーカー(約150平方キロメートル)に達し、100棟を超える家屋とその他の建物200棟以上が焼失し、8万人以上の住民が避難を強いられています。


  ブルー・カット・ワイルドファイヤーと呼ばれているこの山火事は、米航空宇宙局(NASA)の衛星からも煙を確認できる規模の大きさになっています。

Blue Cut Wildfire Terra Satellite.jpg
Credit: NASA/GSFC/LaRC/JPL-Caltech, MISR Team

  NASAの衛星「テラ」によって撮影された上の画像では、山火事による煙が北へ流れている様子を写真中央から上で確認できます。

Blue Cut Wildfire California Aqua Satellite Map.jpg
Credit: NASA/Jeff Schmaltz, MODIS Rapid Response Team

  ひとつ前の画像とは異なるNASAの衛星「アクア」が捉えた上の画像は、16日の山火事発生から数時間後に撮影されたものです。

LA satellite imagery blue cut fire 20160819.jpg
Credit: L.A. Times

  上の画像は、NASAの衛星「Landsat 8」が赤外線を用いて山火事によって焼失した部分を赤で、燃えていない部分を緑に色分けして表しています。ブルー・カットとは別のパイロットと呼ばれている延焼面積約8,000エーカー(約32.3平方キロメートル)の山火事も同じ画像で確認できます。パイロットの方は既に100%鎮火しているそうです。


  なお、サンバーナーディーノ国有林の公式Twitterによると、8月19日の夜現在で、山火事を73%鎮火できているそうです。当初はまったく終わりが見えませんでしたが、これで少しは先が見えてきたような気がします。

  この他にも現在カリフォルニア州で発生している山火事が4件あり、ブルーカットと合わせると19日の時点で71,590エーカー(290平方キロメートル。だいたい山梨市や宇部市、尾道市、つくば市などと同じ面積)を焼いており、鎮火までにはまだ時間がかかる見通しです。

  アメリカは昨年、山火事による延焼面積が初めて1千万エーカー(約40,975平方キロメートル)を超え、米農務省林野部が消火活動に使った費用も過去最高額に達するなど、山火事の被害が深刻化しています。

  全米省庁合同火災センターによると、昨年の同時期よりも今年は山火事の発生件数が少なく、延焼面積も小さくなっていますが、山火事のシーズンはまだ続くため、油断はできません。

  カリフォルニア州は今後も空気が乾燥した状態が続くと思われます。新たな山火事や野火が発生しないことと、現在延焼中の山火事の一刻も早い鎮火を願わずにはいられません。

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