1850年以降の気温上昇を世界地図で見てみましょう

  気候変動による気温や二酸化炭素濃度(排出量)の話題は、難しい専門用語で埋め尽くされた文章で伝えるよりも、画像や映像を用いる方がわかりやすくインパクトも強いことは、英レディング大学の気候科学者であるエド・ホウキンス氏による世界平均気温のスパイラルアニメーショングラフの反響が大きかったことで再認識されたように感じます。

  ホウキンス氏は、気候変動問題に関してこれまでとは違う方法でコミュニケーションをとりたいと考え、スパイラルGIFアニメグラフに辿り着いたそうですが、リオオリンピックの開会式で自身の作成したグラフが気候変動問題の深刻さを伝える映像で使用されたことには驚きを隠せないようです。

  そのホウキンス氏が、今度はただ世界の平均気温を伝えるだけではなく、1850年以降にどの地域でどれくらい気温が上昇しているのか(または気温が下がっているのか)を、年代毎に世界地図を並べてひとつにまとめた画像を公開しました。

Global temperature change 1850-201607 by Ed Hawkins.jpg
10MBのオリジナルサイズはこちら

  英気象庁のHadCRUT4のデータを用いて作られたこの画像は、1850年から2016年7月までの世界平均気温の変化を表しています。偏差の基準年は1961年から1990年で、1年のうち6ヶ月以上のデータがないグリッドはグレーになっているそうです。地図上の赤い部分は気温の上昇、青は気温の下降を、色が濃いほど偏差が大きいことを示しており、偏差の範囲はおおよそ+2.5℃から-2.5℃だそうです。

  2014年以降の急激な平均気温の上昇、特に北極圏の温暖化がよくわかります。もう、温暖化しているのかどうかという議論は必要ないでしょう(それでも認めない人は「データが改竄されている」とかなんとか言って意地でも認めないとは思いますが)。

  今後、気候科学者たちによってどのようにグラフや地図を使ったコミュニケーションが進化していくのか楽しみであるのと同時に、気候科学者がただ研究だけを行うのではなく、積極的にコミュニケーションをとるようになってきたことに、気候変動の深刻さが垣間見えるような気もします。

【あわせて読んでほしい記事】

にほんブログ村 環境ブログ 地球環境へ

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック