8月の北極の海氷は観測史上4番目に小さな面積に  過去最小の最大面積は上回る見通し

  米国立雪氷データセンター(NSIDC)によると、2016年8月の北極の海氷は観測史上4番目に小さい平均面積を記録しました。今年に入ってから北極の月平均海氷面積が過去最小にならなかったのは、3月と7月に次いで3度目でした。また、どうやら9月の最大海氷面積が観測史上最小を記録するのは回避できる見通しです。

Arctic Sea Ice Extent as of 2016-08.png
2012年から2016年における6月から10月までの北極の平均海氷面積(単位: 百万平方キロメートル)
Credit: NSIDC

  7月の北極の平均海氷面積は560万平方キロメートルで、同月としては4番目に小さな記録となりました。

Average Monthly Arctic Sea Ice Extent August 1979 - 2016.png
1979年から2016年までの北極における8月の平均海氷面積(単位: 百万平方キロメートル)
Credit: NSIDC

  衛星による観測が始まった1979年以降、8月は10年あたり10.4%のペースで海氷が融解しています。

Arctic Sea Ice extent - year around - as of 20160909.png
北極における平均海氷面積。2016年は9月9日までの記録。(単位: 百万平方キロメートル)
Credit: NSIDC

  上のグラフは、9月の最大海氷面積が最も小さくなった4年(2007年、2011年、2012年、2015年)と今年の海氷面積を比較したものです。上で8月の平均海氷面積が過去4番目に小さくなったと述べましたが、8月末から9月前半にかけて海氷の融解ペースが速くなり、9日現在のデータでは過去2番目に小さな海氷面積となっています。

  2012年を下回ることはまずあり得ないと思いますが、2007年の記録を塗り替えて観測史上2番目に小さな最大面積を記録するかもしれません。

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