気象庁が発表したデータによると、2016年8月は1891年の観測開始以来同月としては2番目の暑さになりました。また、今年に入ってから5月と8月を除くすべての月で観測史上最高を記録しています。
細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均、直線(赤):長期的な変化傾向。基準値は1981〜2010年の30年平均値。Credit: 気象庁
8月の世界平均気温の偏差(基準年は1981年から2010年)は+0.43℃で、同月としては昨年の+0.46℃を0.03℃下回って過去2番目に大きな値となりました。これにより、今年に入ってから5月と8月を除くすべての月で過去最高を記録し、過去16か月中14か月が観測史上最高となっています。
また、 20世紀の平均気温との偏差は+0.77℃と、こちらも昨年の+0.8℃を0.03℃下回り、8月としては観測史上2番目の記録となっています。
1981年から2010年までの世界平均気温との偏差。破線はエルニーニョ現象が起こった翌年(1997年から98年、2009年から10年、そして今回の2015年から16年)。各月の値は、それぞれの月までの平均値(例えば、2月は1月と2月の偏差の平均。6月は1月から6月までの偏差の平均。)Credit: 気象庁
これは、2016年1月から8月までの世界平均気温を、過去に最も暖かかった7年と比較したグラフです。3月をピークに4月と5月は急激に下降しましたが、5月の+0.37℃から6月は+0.41℃、7月は+0.43℃(速報値では+0.44℃。後に下方修正)、そして8月は+0.43℃と偏差が上昇したために平均気温の下降ペースが緩やかになり、世界平均気温は観測史上最も暑かった昨年の8月時点と比較して0.15℃高くなっています。
米海洋大気局(NOAA)の発表がまだなので8月分のデータは揃っていませんが、米航空宇宙局(NASA)を加えた3気象機関のうち、今年に入ってから各月の世界平均気温が観測史上最高を記録していない月は2つだけで、その両方が気象庁によるものです。データ補正基準の違いによって結果が低めに出たり高めに出たりするのも興味深いところです。
NASAは高め、気象庁は低めの結果が出る傾向にあるので、NOAAはその間あたりになると思われます。
ラニーニャ現象が発生しているのかいないのかよくわからない状態で、秋以降の著しい気温の低下があまり見込めないため、今年が昨年を大きく上回って観測史上最も暑い年になるのはほぼ間違いないでしょう。
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