米国立雪氷データセンター(NSIDC)は、9月10日に北極の海氷が最小に面積到達したとみられ、2012年に次いで観測史上2番目に小さくなったと発表しました。
北極の海氷面積は9月10日に414万平方キロメートルを記録した後に拡大し始めたことから、NSIDCは10日時点の面積が今年の最小記録であるとしています(過去にいったん拡大を開始してから再融解して最小面積を記録したことがあるため、公式発表は10月に入ってからとNSIDCは述べています)。
この414万平方キロメートルという数値は、2007年の記録(415万平方メートル)と統計学的に並び、2012年の339万平方キロメートルに次いで、衛星による観測が始まって以来37年間で2番目に小さな最小面積となりました。
カリフォルニア大学アーバイン校のザック・レーブ氏による、今年の海氷面積の変化を2012年および2007年と比較した動画が、予測に反して海氷がとけなかった今年と、夏に入ってから加速度的にとけた2012年の違いを表していてわかりやすかったので紹介します。
A look at 2016's sea ice extent vs. 07/12 throughout past year (JAXA data). Look for turn to start of freeze season pic.twitter.com/iweysE5Z58
— Zack Labe (@ZLabe) September 15, 2016
また、衛星による観測が始まった1979年以降の北極における海氷の最小面積の変遷を、NSIDCがアニメーションGIFにしています。
これらの動画を見れば、北極の最小海氷面積が減少傾向にあることをより感じることができるのではないでしょうか。
上の表は、北極における夏期の最小海氷面積の最小記録トップ10です(2016年と2007年が統計学的に同記録のためトップ11になっています)。1位から9位までの10個の最小記録が、すべてこの10年間に集中しており、北極圏における温暖化が進んでいることがわかります。
そして、この傾向は温室効果ガスの排出量を激減させたとしても止められるかどうかはわかりません。いつまで夏の北極圏で海氷を見ることができるのでしょうか。
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