【NOAA】9月の世界平均気温は観測史上2番目  各月の過去最高更新は16ヶ月連続で途絶える

  日本の気象庁のデータでは観測史上2番目、米航空宇宙局(NASA)の発表では過去最高だった2016年9月の世界平均気温ですが、米海洋大気局(NOAA)のデータでは観測史上2番目の高さとなり、昨年の5月から続いていた最高記録の更新が16か月で途絶えました。なお、今年に入ってから9月までの世界平均気温は観測史上最高を記録し、最も異常に暖かい9ヶ月となっています。

NOAA Global Land and Ocean Temperature Anomalies 2016-09.jpg
2016年9月の世界平均気温の偏差(基準は20世紀)。単位は左側が摂氏、右側が華氏。Credit: NOAA

  9月の世界平均気温は20世紀の平均気温よりも0.89℃高く、昨年の記録を0.04℃下回り観測史上2番目に異常な暖かさの9月となりました。これにより、2015年5月から続いていた各月の観測史上最高記録の連続更新は16ヶ月連続で途切れています。

  記録が途切れたことに大きな意味はありません。今年に入ってから気象庁やNASA、NOAAのデータで観測史上最高を記録しなかった各月の気温は、すべて2014年か2015年、そして今年と同じエルニーニョ現象の2年目にあたる1998年に次いで2番目か3番目の異常な高さでした。過去30年以上の長期にわたって気温が上昇傾向にあり、その中でもとりわけ2014年以降の気温の高さが極めて異常だということを注視するべきです。

  NASAの記事でも触れましたが、NOAAもNASAと同様に昨年の10月以降の偏差が極めて大きいため、今年から来年の前半にかけて過去最高を更新することはないと思われます。

NOAA Temp Anomalies Comparison with Previous Records 2016-09 EN.jpg
2016年を含むそれ以前の観測史上最も暖かかった8年の各月までの偏差(基準は20世紀の平均気温)の平均。破線はエルニーニョ現象が発生した翌年。

  1月から9ヶ月間の世界平均気温の偏差は+0.89℃と、昨年の同期間を0.13℃上回る観測史上最高を記録し、1880年以降で最も異常に暖かい年初からの9か月間となりました。

  主要気象機関による9月の世界平均気温がそろったので、気象庁、NASA、NOAAの産業革命前に最も近い30年分のデータと比較して、これまでに何度気温が上昇しているのかを確認しておきましょう。

NASA_NOAA_JMA Combined Temp Anomalies to 1891-1920 as of 201609.jpg
NASA、気象庁、NOAAを統合した各月までの世界平均気温の偏差(基準年は1891年から1920年。単位は℃)。赤い横線はIPCCがパリ協定で努力目標とした2100年までの気温上昇1.5℃のライン。

  9月を終えた時点で、1891年から1920年までのデータと比較して世界平均気温は1.24℃上昇しており、過去最高だった昨年の同時期よりも0.16℃高くなっています。来年は今年よりも気温が下がることはほぼ間違いなく、その後もすぐに今年と同じくらい暑くなることはないと思われますが、NOAAのデータで1986年から2015年までの30年間における10年あたりの気温上昇が0.16℃であることを考えると、1年でこれだけ気温が上昇した、それも異常だった昨年よりも0.16℃気温が高くなっていることの異常さがわかります。数年の異常な数値を取りあげることに大きな意味はないとはいえ、この気温の急上昇は特筆ものです。

NASA_NOAA_JMA_Combined Temp Anomalies Table to 1891-1920 as of 201609.jpg

  この表は、上のグラフを小さく区分して数値化したものです。先月の記事と比較するとNASAとNOAAの数値が変わっていますが、これはそれぞれがデータ分析を行って、補正後の数値にアップデートされたためです。

  現時点で産業革命前(実際には産業革命後のデータですが)と比較してすでに1.2℃以上気温が上昇していることと、このままのペースだと2021年には炭素収支が1.5℃の壁を、2036年には2℃の壁を超える見込みであることを考慮に入れると、11月初旬に発効されるパリ協定で掲げた目標が不十分であるのは明確です。本来ならば、もっと野心的な気候変動対策を今すぐに実行に移さなければならないのです。

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