気象庁の発表によると、2016年11月の世界平均気温は、1891年の観測開始以来同月として3番目の暖かさとなりました。また、今年に入ってから5月、8月、9月が観測史上2番目、10月と11月が観測史上3番目の暑さとなり、それ以外の6か月はそれぞれの月で観測史上最高を更新しています。
細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均、直線(赤):長期的な変化傾向。基準値は1981〜2010年の30年平均値。Credit: 気象庁
11月の世界平均気温の偏差(基準年は1981年から2010年)は+0.28℃となり、同月としては昨年の+0.54℃と2013年の0.31℃に次ぐ過去3番目の暖かさとなりました。これにより、今年に入ってから5月、8月、そして9月がそれぞれ過去2番目、10月と11月が過去3番目の暖かさとなった以外はすべての月で過去最高を記録し、過去19か月中14か月で観測史上最高を記録しています。
また、 20世紀の世界平均気温との偏差は+0.62℃で、観測史上過去最高だった昨年の+0.88℃を大きく下回っています。なお、11月の世界平均気温は長期的に上昇傾向にあり、100年あたりで約0.71℃上昇しています。
1981年から2010年までの世界平均気温との偏差。破線はエルニーニョ現象が起こった翌年(1997年から98年、2009年から10年、そして今回の2015年から16年)。各月の値は、それぞれの月までの平均値(例えば、2月は1月と2月の偏差の平均。6月は1月から6月までの偏差の平均。)Credit: 気象庁のデータより作成。
このグラフは、2016年1月から11月までの世界平均気温を、観測史上最も暑かった7年と比較したものです。今年前半と比較すると、過去最高だった2015年との差はかなり縮まってきましたが、12月を残してまだ0.054℃の開きがあります。もしも、12月の平均気温の偏差が0.07℃を切るか、データ補正後の各月の気温が大きく下がるようなことがあれば昨年の記録を下回る可能性はありますが、12月に入ってからも気温の極端な低下は見られないため、2016年が最も暑い年になるのはほぼ確実と言っていいでしょう。
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