気象庁の速報値によると、2016年12月の世界は同月として観測史上2番目の暖かさとなりました。これによって、2016年が2015年を上回って観測史上最も暑い年になるのが確実となっています。
細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均、直線(赤):長期的な変化傾向。基準値は1981〜2010年の30年平均値。Source: 気象庁
12月の世界平均気温と1981年から2010年の平均との偏差は、エルニーニョ現象の影響を受けて異常な暖かさになった昨年の+0.66℃を大きく下回る+0.33℃(20世紀の平均気温との偏差は+0.71℃)でしたが、2014年の+0.31を上回って観測史上2番目の暖かさとなりました。
細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均、直線(赤):長期的な変化傾向。基準値は1981〜2010年の30年平均値。Source: 気象庁
2016年の日本における年平均気温の偏差(基準年は1981年から2010年)は+0.88℃で、これまで最も暖かかった1990年の+0.78℃を0.1℃上回り、世界と同じく最も暖かい1年となりました。
1981年から2010年までの世界平均気温との偏差。破線はエルニーニョ現象が起こった翌年(1997年から98年、2009年から10年、そして今回の2015年から16年)。各月の値は、それぞれの月までの平均値(例えば、2月は1月と2月の偏差の平均。6月は1月から6月までの偏差の平均。)。Source: 気象庁のデータより作成。
これは、2016年1月から12月までの世界平均気温と観測史上最も暑かった7年を比較したグラフです。エルニーニョ現象の終息に伴い、後半にかけて2016年と2015年の差は小さくなりましたが、それでも2015年を0.02℃上回って1891年の観測開始以来最も暑い年になりました。グラフを見れば、いかに2015年と2016年が異常な暑さだったかがよくわかります。
また、2016年と同じくエルニーニョ現象の2年目だった1998年(青破線)と比較すると、2016年の方が約0.2℃暖かくなっていますが、これは概ねバックグラウンドで進行している気候変動による気温上昇が原因と考えていいでしょう。
今後数日中に米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気局(NOAA)からも2016年の世界平均気温が発表されますが、最も保守的な日本の気象庁のデータで観測史上最高を記録したので、NASAとNOAAが2016年の世界平均気温は過去最高だったと発表するのは間違いありません。
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