日本の気象庁によると、4月の世界平均気温偏差は+0.38℃(基準年は1981年から2010年)で、昨年の+0.54℃に次いで1891年の観測開始以来2番目に暑い4月になりました。20世紀の平均を基準とした偏差は+0.77℃でした。なお、世界の4月の平均気温は100年あたり約0.76℃の割合で上昇を続けています。
これは4月の世界平均気温偏差の分布を表した地図です。3月と比較すると偏差は小さくなったものの、4月もロシア北部で極端な暖かさが続いています。しかし、北欧から中央ヨーロッパは3月とは逆に平年よりも気温が低くなっている地域がみられます。また、3月は平年よりも寒かった米アラスカ州は、逆に極端に暖かい4月になりました。
上のグラフは、各年における1981年から2010年までの世界平均気温との偏差を表したものです。破線はエルニーニョ現象が始まった翌年で、気温がエルニーニョの影響を最も受けた年にあたります。
3月までの世界平均気温は観測史上最も暑かった昨年に次いで2番目に高い値でしたが、4月に少しスローダウンした影響で、1月から4月までの4か月間は、2015年と並んで2番目の暑さとなっています。
次に、NASAによる発表を見てみましょう。この折れ線グラフは、1880年以降の4月の世界平均気温偏差を表したものです。4月の平均気温偏差(1951年から1980年が基準)は+0.88℃で、最も暑かった2016年の+1.06℃を0.18℃下回ったものの、2番目に暑かった2014年を0.10℃上回り、137年の観測史上で2番目に暖かい4月となっています。
これは4月の世界平均気温偏差を表した地図です。気象庁と同じく、ロシア北部(特にシベリア地域)の気温が引き続き極端に高くなっています。これも気象庁と同じく、米アラスカ州が3月とは逆に極端な暖かさになりました。
1月から4月までの世界平均気温は昨年に次いで2番目の暑さですが、4月の時点で依然として昨年1年間の世界平均気温を上回っています。
なお、エルニーニョ現象と無関係の年としては過去最高の平均気温となっており、バックグラウンドで気候変動が侵攻していることを示しています。
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