【南極】ラーセンC棚氷の亀裂が海に到達するまであと4.5kmに  巨大氷山分離へのカウントダウン続く

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  2010年に亀裂の生じた棚氷の崩壊が懸念されてきたラーセンC棚氷が、巨大氷山の分離に向けて最終局面を迎えていることはこれまでに何度伝えてきました。

  ラーセンC棚氷の動向を調査しているイギリスの研究チーム「Project MIDAS」が7月7日に更新したブログによると、5月末の時点で海に到達するまであと13kmの地点まで伸びていた亀裂が、7月6日に撮影された衛星画像では残り4.5kmの地点まで伸びていることがわかりました。

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2016年5月から2017年7月6日までに衛星「Sentinel-1」によって撮影された、ラーセンC棚氷の亀裂。Source: Project MIDAS

  これは、2016年6月以降のラーセンC棚氷の亀裂を撮影した衛星画像をGIFアニメにしたものですが、ここ数か月で棚氷の亀裂が急激に伸びているのを確認することができます。

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2017年7月6日に撮影されたラーセンC棚氷に生じた亀裂。Source: Project MIDAS

  上の画像は、7月6日に撮影されたラーセンC棚氷の亀裂部分の衛星画像です。5月末には、亀裂の先端から海までの距離は13kmでしたが、今回の画像で亀裂がさらに伸び、海まで4.5kmの地点まで達していることがわかりました。また、後ろからの圧力によって、亀裂が枝分かれしたことも判明しています。これにより、棚氷が分離する際に、いくつかの氷山に分裂することが予測できます。

  亀裂よりも海側の部分が氷山となって分離すると、ラーセンC棚氷は全体の10%を失うことになりますが、調査チームや専門家は、過去にラーセンB棚氷がそうであったように、分離後に残った部分が不安定になり、将来的にはラーセンC棚氷がすべて崩壊するのではないかと推測しています。

  前回の記事でも触れましたが、大陸から氷床が前進して形成された棚氷の崩壊によってさらなる氷床の前進が起こり、海面上昇の原因となります。南極半島に到達する暖かい海水によって、今後も棚氷の形成と崩壊は続くと予測されており(棚氷崩壊のメカニズムについては『南極の氷が予測より速く融解  今世紀中に2メートルの海面上昇も』を参照してください)、海面上昇の加速が懸念されます。

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