気象庁が発表した速報値によると、2017年6月の世界平均気温は、2015年と2016年に次いで同月として観測史上3番目の高さになりました。
世界の6月平均気温偏差。細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均、直線(赤):長期的な変化傾向。基準値は1981〜2010年の30年平均値。単位は℃。Credit: 気象庁
6月の世界平均気温偏差(基準年は1981年から2010年)は+0.36℃で、2015年と2016年の+0.41℃に次いで観測史上3番目に高い値でした。20世紀の平均気温との偏差は+0.71℃でした。また、6月の世界平均気温は100年あたりで0.70℃上昇しています。
1981年から2010年までの世界平均気温との偏差。破線はエルニーニョ現象が起こった翌年(1997年から98年、2009年から10年、そして今回の2015年から16年)。各月の値は、それぞれの月までの平均値(例えば、2月は1月と2月の偏差の平均。6月は1月から6月までの偏差の平均)。Source: 気象庁
上のグラフは、1981年から2010年までの世界平均気温と、過去に最も暑かった8年と今年の平均気温との偏差を表したものです。破線はエルニーニョ現象が始まった翌年で、気温がエルニーニョの影響を最も受けた年にあたります。
今年の前半6か月間の平均気温偏差は+0.41℃で、昨年の+0.52℃に次ぐ観測史上2番目の暑さでした。なお、今年6月時点の偏差は昨年(+0.44℃)と一昨年(+0.42℃)の年平均気温偏差を下回っているため、気温がこのまま上昇することなく推移すれば、2017年は観測史上3番目に暑い年になりそうです。
これまでにも述べてきましたが、観測史上最強レベルのエルニーニョ現象の影響を受けた1998年よりもエルニーニョの影響を受けていない今年の方が暑いことと、1998年と同じくエルニーニョ現象発生2年目だった昨年の方が1998年よりも暑かったことが、温暖化の進行を物語っています。
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