夏が来るたびに、「記録的な猛暑」や「殺人的な暑さ」などという表現が用いられるほど、極端に暑い日が目立つようになってきました。また、それに伴って、山火事や集中豪雨のニュースもよく見聞きするようになった印象があります。
実際のところ、夏は本当に暑くなっているのでしょうか?
ニューヨークタイムズ紙が、元米航空宇宙局(NASA)の気候科学者ジェームズ・ハンセン氏らのデータを元に、1951年から2015年までの世界における夏の日平均最高気温の分布グラフを作成し、各年代の最高気温を1951年から1980年の平均をベースとした「極端に涼しい(Extremely cold)」「涼しい(Cold)」「平年並み(Normal)」「暑い(Hot)」「極端に暑い(Extremely hot)」に分けて比較しているので、夏が本当に暑くなっているのかどうかを確認してみましょう。
Credit: New York Times
夏の暑さが激しくなっているのは、分布の移り変わりを見れば一目瞭然です。
Credit: New York Times
ベースになっている1951年から1980年までの平均最高気温は「平年並み」「平年より涼しい」「平年より暑い」にほぼ3分の1ずつ分布しています。「極端に暑い」に該当する日はほんのわずかしかありません。
2005年から2015年を見てみると、約3分の2が1951年から1980年までの「暑い」「極端に暑い」に該当し、「極端に暑い日」は15%に達しています。
20世紀半ばからわずか60年足らずで、夏の温暖化はここまで進んでいるのです。
そして、野心的な温室効果ガス排出量削減を実施しない限り、このグラフの分布はさらに右(暑い方)へとシフトしていくことになります。
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