世界191か国における過去117年間の気温上昇をアニメーショングラフで見てみましょう

  これまでに、このブログで世界平均気温上昇の様子がよくわかるGIFアニメーションのグラフをいくつか紹介してきました(『1850年以降の気温上昇をスパイラルのGIFアニメーショングラフで見てみましょう』や『1881年以降における月別の世界平均気温の上昇と直近2年の極端な暖かさがわかるGIFアニメ』など)が、いずれも「世界平均気温」で、これまでに国別の平均気温の変遷を表したアニメーショングラフを作成した気候科学者はいませんでした。

  ところが今回、フィンランドの気候科学者であるAntti Lipponen氏が、米航空宇宙局(NASA)のデータを用いて、世界191か国における、1900年から2016年までの117年間の年平均気温偏差(基準年は1951年から1980年)を表す動画を作成して公表しました。


  このアニメーショングラフは、NASAのGISSデータを元に、1951年から1980年を基準年とした世界平均気温に対し、地域ごとに分類した世界191か国における各年の平均気温偏差を表しています。放射線状に伸びる各国のグラフは、青ければ平均よりも気温が低く、赤ければ平均よりも気温が高いことを示しています。また、グラフには世界平均気温からの偏差がわかりやすいように、+1℃と+2℃の部分にラインが引いてあります。

  このグラフで顕著なのは、程度の違いこそあれ、すべての地域で気温上昇が見られることです。特に、1990年代以降における気温の上昇が目立ちます。

  地域としては、ヨーロッパとアジアにおける温暖化が顕著です。また、北欧やカナダなど、高緯度地域で温暖化が速く進んでいることもよくわかります。その一方で、南半球(オセアニアとアフリカの一部)の平均気温は、北半球と比較すると、それほど上昇していません。

Temp anomalies by country since 1900 by Antti Lipponen Screen Shot 2016.jpg

  これは、アニメーショングラフの2016年部分のスクリーンショットです。世界平均気温が観測史上最高を記録したこの年に注目すると、カナダやアメリカ、ロシア、フィンランドなどでは、1951年から1980年までの平均と比較して、すでに2℃以上の気温上昇が見られます。

  日本はというと、2016年時点での気温上昇はおよそ1.2℃から1.3℃くらいでしょうか。

  このように、自然変動などが原因で、地域や年によって気温上昇に差はありますが、長期的には世界全体で上昇傾向にあり、特に1990年代後半以降の気温上昇が顕著です。

  地球規模の気温上昇と、地域や国々の各年代における気温上昇の進行具合を視覚化したこのグラフによって、これまでのアニメーショングラフとはまた違った角度から気候変動による地球温暖化を理解することができるのではないでしょうか。

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