気象庁が発表した速報値によると、2017年8月の世界平均気温は、2015年と2016年に次いで同月として観測史上3番目の高さでした。
世界の8月平均気温偏差。細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均、直線(赤):長期的な変化傾向。基準値は1981〜2010年の30年平均値。単位は℃。Credit: 気象庁
8月の世界平均気温偏差(基準年は1981年から2010年)は+0.38℃で、2015年(+0.46℃)と2016年(+0.43℃)に次いで観測史上3番目に高い値でした。20世紀の平均気温との偏差は+0.72℃でした。また、8月の世界平均気温は100年あたりで0.68℃上昇しています。
1981年から2010年までの世界平均気温偏差。破線はエルニーニョ現象が起こった翌年(1997年から98年、2009年から10年、そして今回の2015年から16年)。各月の値は、それぞれの月までの平均値(例えば、2月は1月と2月の偏差の平均。6月は1月から6月までの偏差の平均)。Credit: 気象庁
上のグラフは、1981年から2010年までの世界平均気温と、過去に最も暑かった8年と今年の平均気温との偏差を表したものです。破線はエルニーニョ現象が始まった翌年で、気温がエルニーニョの影響を最も受けた年にあたります。
今年の1月から8月までの平均気温偏差は+0.403℃で、昨年の+0.495℃に次ぐ観測史上2番目の暑さになりました。なお、8月までの偏差は、昨年(+0.44℃)と一昨年(+0.42℃)の年平均気温偏差を下回っており、今後気温が上昇することなく推移すると仮定した場合、2017年は観測史上3番目に暑い年になります。
過去にも述べましたが、エルニーニョの影響を受けていない今年の方が観測史上最強レベルのエルニーニョ現象の影響を受けた1998年よりも暑くなっていることが、バックグラウンドで進む温暖化を如実に物語っています。
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