気象庁から約1週間遅れて、米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気局(NOAA)が8月の世界平均気温を発表しました。それによると、NASAのデータでは8月は同月として観測史上2番目の暑さ、NOAAは観測史上3番目の暑さになっています。なお、1月からの8か月間は、両機関共に観測史上2番目の暑さでした。
NOAA: 8月は観測史上3番目の暑さ
2017年8月の世界平均気温偏差。基準年は1901年から2000年。単位は左側が摂氏、右側が華氏。Source: NOAA
2017年8月の陸地と海洋を合わせた世界平均気温は、20世紀の平均(15.6℃)を0.83℃上回り、2016年(偏差+0.90℃)と2015年(偏差+0.88℃)に次いで、138年間の観測史上で3番目の暑さとなりました。最も暑かった8月の上位10年のうち9年が2005年以降に集中しています。残りの1年は、史上最も強かったと言われているエルニーニョの影響を大きく受けた1998年です。
また、8月としてはこれで41年連続、すべての月を合わせると392か月連続で20世紀の世界平均気温を上回っています。なお、8月の世界平均気温は1世紀あたりで0.67℃上昇しています。
2017年を含むそれ以前の観測史上最も暖かかった9年の各月までの世界平均気温偏差(基準は20世紀)。各月の値は、それぞれの月までの平均値(例えば、2月は1月と2月の偏差の平均。6月は1月から6月までの偏差の平均)。破線はエルニーニョ現象が発生した翌年。Source: NOAA
今年前半8か月間の偏差は+0.88℃で、昨年(+1.01℃)よりも0.13℃低く、2015年(+0.85℃)よりも0.03℃高い、観測史上2番目の暑さでした。また、8月までの平均気温は、昨年の年平均気温を0.06℃、2015年を0.02℃下回っており、上のグラフに記されている3つのシナリオ(「▲: それぞれの月の平均気温偏差が1998年と同じ」「■: それぞれの月の偏差が+0.85℃」「●: それぞれの月の偏差が観測史上5番目の値」)を考慮に入れた場合、2017年は観測史上3番目の暑さになると予測されています。
NASA: 8月は観測史上2番目の暑さ
1980年から2015年の世界平均気温を基準にしたそれぞれの月の偏差。Source: NASA
8月の世界平均気温偏差(基準年は1951年から1980年)は+0.85℃で、エルニーニョ現象の影響を受けた昨年(2016年)の+0.99℃を0.14℃下回る観測史上2番目の暑さとなりました。しかし、昨年と同レベルの強さだったエルニーニョの影響を受けた1998年の8月を0.2℃上回っています。
共に史上最強レベルだったエルニーニョ現象の2年目にあたる1998年と2016年における8月の平均気温偏差を比較した場合に、2016年が0.34℃高くなっていることもさることながら、エルニーニョの影響をまったく受けていない今年の方が0.2℃も高いことが、バックグラウンドで進行する気候変動による温暖化を象徴しています。
2017 still on track to be 2nd warmest yr in the record (Prob. ~ 83%) (updated using August data). pic.twitter.com/Hm5GJw1NEy
— Gavin Schmidt (@ClimateOfGavin) September 19, 2017
NASAゴッダード宇宙研究所の気候科学者であるギャビン・シュミット氏は、7月までの気温データを元に分析を行ったところ、今年が観測史上2番目に暑い年になる確率は約83%という結果が出ています。
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