通常このブログでは気象機関ごとにグラフや地図を用いて、各月の平均気温偏差や気温分布を説明していますが、それぞれの気象機関が異なる基準年を用いているため、軸の数字が異なるグラフを並べてもよくわからないと思うので、そこはざっくりと説明だけにして、最後に3気象機関の基準年を統一したグラフで雰囲気をつかんでもらえればと思います。
世界平均気温
・ 5月の世界平均気温は、3気象機関ともすべて同月としては観測史上4番目の暑さでした。
・ 4月に続いて5月もヨーロッパの気温が極端に高くなっており、EUの気候データ機関であるコペルニクスによると、4月と5月のヨーロッパはそれぞれの月で過去最高の平均気温を記録しました。5月の平均気温偏差は、これまでに最も暑かった2003年の+1.6℃を大きく上回る+2.5℃と、過去に例のない暑さになりました。
・ 春(3月~5月)の世界平均気温は、気象庁とNASAが2016年と2017年に次ぐ観測史上3番目の暖かさ、NOAAは2016年、2017年、そして2015年に次いで過去4番目に暖かい春になったと発表しています。
・ 5月の世界平均気温は、3気象機関ともすべて同月としては観測史上4番目の暑さでした。
・ 4月に続いて5月もヨーロッパの気温が極端に高くなっており、EUの気候データ機関であるコペルニクスによると、4月と5月のヨーロッパはそれぞれの月で過去最高の平均気温を記録しました。5月の平均気温偏差は、これまでに最も暑かった2003年の+1.6℃を大きく上回る+2.5℃と、過去に例のない暑さになりました。
・ 春(3月~5月)の世界平均気温は、気象庁とNASAが2016年と2017年に次ぐ観測史上3番目の暖かさ、NOAAは2016年、2017年、そして2015年に次いで過去4番目に暖かい春になったと発表しています。
日本の平均気温
・ 気象庁によると、5月の日本は同月として観測史上6番目の暖かさでした。気象庁が日本の平均気温の測定を開始した1898年に近い1901年から1930年を基準年にすると、5月は気温が約2.2℃上昇しており、これは世界平均気温と比較すると約2倍速いペースになっています。
・ 日本の春(3月~5月)の平均気温は、1998年に次ぐ観測史上2番目に高い数値を記録し、100年あたり約1.45℃の割合で上昇しています。
・ 気象庁によると、5月の日本は同月として観測史上6番目の暖かさでした。気象庁が日本の平均気温の測定を開始した1898年に近い1901年から1930年を基準年にすると、5月は気温が約2.2℃上昇しており、これは世界平均気温と比較すると約2倍速いペースになっています。
・ 日本の春(3月~5月)の平均気温は、1998年に次ぐ観測史上2番目に高い数値を記録し、100年あたり約1.45℃の割合で上昇しています。
ではここで、気象庁、NASA、そしてNOAAによる気温データの基準年を産業革命前に最も近い1891年から1920年の30年間に統一した5月の世界平均気温偏差のグラフを作成して、どれくらい気温が上昇しているのかを確認しておきます。
3気象機関のデータを統合した場合、5月の世界平均気温偏差は+1.06℃でした。つまり、5月の世界平均気温は、産業革命前(に最も近い基準期間)と比較して約1℃上昇していることになります。
最後に、世界平均気温が最も高かった過去の年と比較して、今年がどのくらい暑いのかを見てみましょう。ここでは、年平均気温が最も高かった4年(高かった順に2016年、2015年、2017年、2014年)と、最強規模のエルニーニョの影響で、2010年台に入るまでは最も暑い年だった1998年と比べてみました。
1891年から1920年までの世界平均気温との偏差。各月の値は、世界の主要3気象機関(NASA/NOAA/気象庁)を統合した、それぞれの月までの平均値(例えば、2月は1月と2月の偏差の平均。6月は1月から6月までの偏差の平均)。
このグラフの値は、上のグラフで用いた3気象機関の偏差の平均値になっています。1月から5月までの世界平均気温偏差は+1.06℃で、同期間としては観測史上4番目に大きな値になっています。5番目に暖かかったのは2010年でしたが、年平均気温が過去6番目の高さだったため、このグラフには含まれていません。
最近は、パリ協定の努力目標である2100年までの気温上昇を産業革命前比で1.5℃未満に抑えるために必要な条件に関する研究結果の発表が相次いでいますが、化石燃料からの撤退とクリーンエネルギーの普及に伴って大気汚染が解消された場合、世界平均気温が0.5℃以上上昇するという研究結果もあり、1.5℃未満の目標達成はかなり困難であると考えられます。
大気汚染解消による気温上昇を心配する以前に、化石燃料から撤退する気があるとは思えない先進諸国の政策をなんとかするのが先なのは言うまでもありませんが・・・・・。
この記事へのコメント