気候ポッド 第34回 ~ 『クローゼットの中の怪物』を環境正義的に見ると…


前回(気候ポッド 第33回 ~ 『クローゼットの中の怪物』:そんなに服いらないっしょ)に続いて、パタゴニアがファッション産業と気候変動の関係を伝える『クローゼットの中の怪物』について話しています。

まだ動画を観ていない方は、ぜひチェックしてください。本当にいい動画です。

今回は、動画の中で言葉としてのメッセージにはなっていなかったけど、そこから読み取ることができる環境正義の問題を掘り下げてみました。

内容はだいたいこんな感じ

・ 使い捨てにしているのはプラスチック?わたしたち自身?
・ 服の素材に使われるプラスチックの生産過程で、ガス・石油の掘削、精製工場、プラスチック製造工場の周辺では住民の健康被害が問題になっていて、被害者は、有色人種や低所得・貧困層に偏っている
ガス・石油産業がプラスチックに生き残りをかけるため、今後はCO2の排出源がエネルギーからプラスチックに置き換わっていく。同時に、火力発電所周辺の健康問題が、プラスチック製造工場周辺の健康問題に置き換わっていく有色人種や低所得・貧困層に影響が偏るのは同じ。
・ 代替プラスチックや、プラスチックに換わる素材が出てきても、誰かが傷ついたら意味がない
・ いまはプラスチックでできていないものがプラスチックに置き換わると、環境正義問題は残るどころか大きくなる。次のペットボトルみたいなのが出てくる(ジュースは昔ビン入りで売られていたし、ボトル水なんてそもそも存在しなかった。水筒を持っていた)。
・ 昔は弁当箱がアルミ製だったという話をしていますが、アルミニウムはプラスチックと比較してリサイクルが簡単です。プラスチックをアルミに置き換えればいい。とりあえず。
「私たちひとりひとりにできることがあります」というメッセージを発信する場合、それは「お金持ちじゃない人にもできること」じゃないと逆効果になります。社会経済的にできることがない、限りなく少ない人は、機会があれば自分が大事にしている問題について「話すこと」にトライしてみてください。
おかしいと思うことには、おかしいと言いいましょう(アメリカではよく"You see something, say something."と言われます)。
・ ネットでもリアルでもどっちでもいいので、誰かとつながって、小さなコミュニティーをつくって話したり何かをしたりしてください。

私たちひとりひとりにできる最も重要でもっとも大きいこと」は、「話すこと」です。

気候変動を、社会問題を、政治を日常会話にしましょう!
ポッドキャストの感想や経験談、大事にしている問題や心配事など、なんでもいいので、このブログのコメント欄やメッセージ、TwitterへのコメントやDMで気軽にお寄せください。

そんなわけで、次回は7月10日に投開票を迎える参議院選挙の話です。

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