海面が6メートル上昇するとどうなるのか?

  気温が産業革命前から摂氏2度上昇すれば、海面はどれくらい上昇するのかという記事で、最悪の場合、2℃の気温上昇が6メートルの海面上昇に繋がるという研究結果について触れました。   では、もしも今後数百年から数千年かけて海面が6メートル上昇した場合、海岸付近の都市はいったいどうなるのでしょうか?   下の米主要都市の地図は、Climate Central のマッピングツールを用いて、左は温室…

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摂氏2度の気温上昇で海面はどれくらい上昇するのか?

  2100年までの気温上昇を、産業革命以前と比較して摂氏2度未満に抑えなければいけないのはなぜなのかという記事の中で、気温が2度上昇すると、2100年までに海面が26センチから82センチ上昇すると述べましたが、このIPCCの予測はとても保守的で、多くの気候科学者が異論を唱えています。   では、他にどのような予測や、2100年よりも先にはどれくらいの海面上昇が予測されているのでしょうか? …

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なぜ気温上昇を「摂氏2度」までに抑えなければいけないのか?

  地球温暖化問題では、必ずと言っていいほど「2100年までの気温上昇を、産業革命以前と比較して摂氏2度未満に抑えなければいけない」という目標を見聞きします。摂氏2度を超えると、大変危険な気候になってしまうと言われていますが、その根拠はなんなのでしょうか? 1. 「摂氏2度」はどこから始まったのか?  この摂氏2度という数字は、1990年代に当時の研究結果などを元に、政治的に決められた国際的な…

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温暖化に伴う極端な猛暑の増加

  気候変動による気温上昇に伴って、熱波や寒波、豪雨による洪水など、極端な気象現象、いわゆる異常気象が増えるといわれています。 Credit: 気象庁   不確かな要素や、地域による違いはあるものの、IPCC第5次評価報告書によると、上図のような長期的傾向が見られます。特に顕著なのは、暑い日や暑い夜、持続的な高温や熱波の増加です。 Credit: 気象庁   上のグラフは、ハドレーセンタ…

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135年間の世界平均気温の上昇を30秒で見てみましょう

  NASA(米航空宇宙局)のゴッダード宇宙研究所(GISS)によると、地球の平均気温は、1880年から2013年の134年間で約0.8℃上昇しています。   「たった0.8℃やん」と感じるかもしれませんが、平均気温の0.8℃と、1日の中とか、季節によって温度が違う、というのとはわけが違います。世界の1年間の平均気温が0.8℃上昇するということは、そういう1日の中でや季節ごとの気温の変化、地域…

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北大西洋の熱塩循環がスローダウン?

  2015年8月の世界の気候レポートの記事で使用した世界の陸海表面の平均温度の地図上で、北大西洋のグリーンランド南側に、観測史上最高の平均気温を更新しようとしているのに、1ヶ所だけ過去最低気温を記録している場所がありました。   上の地図上の、黒で囲んだ濃い青の部分です。この地域(西経20度から同40度、北緯55度から同60度まで)の1月から8月の気温は、1880年以降で最も低くなってい…

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北極の海氷 ~ 体積

  長期に渡って北極の夏の海氷面積が減少しており、また、複数年とけずに残っている海氷の面積も減少傾向にあるという話をしましたが、それらの現象は、北極海の海氷の体積にも影響を与えます。実際には海氷の厚さはその年や地域によってばらつきがあるので一概にはいえないのですが、単純に考えた場合、面積と分厚い海氷(複数年残っている海氷)が減少すると、全体の海氷の体積も減少すると考えるのが自然だと思います。 …

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北極の海氷 ~ 面積と氷齢

  地球温暖化のサインについての記事の中で、平均気温の上昇に伴って、海氷面積が減少することに触れました。  毎年、9月初旬から中旬にかけて、夏の北極の海氷は最小面積になります。今年は、9月11日に最小面積を記録しました。 Credit: NOAA   2015年の最小面積は、観測史上4番目に小さくなりました。史上3番目の最小面積だった2011年、史上2番目に小さかった2007年に迫るくらい、…

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地球温暖化のサイン

  「気候」と「天気」の違いについての記事で、気候は長期間に及ぶ天気データの統計であるという話をしました。地球温暖化は、数十年に渡って平均気温が上昇傾向にあることを指します。   一般的に、「温暖化」というと気温だけに注目しがちですが、地球全体の平均気温が上昇することによって、様々な場所で様々な現象が起こります。では、その温暖化していることを裏付ける具体的なサインにはどのような現象があるのでし…

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「気候」と「天気」の違いと「気候変動」

気候変動の話題でよく誤解されているのが、「天気」と「気候」の違いです。 気象庁気象研究所の「気象の事典(平凡社)」の引用によると、「天気」は「ある時刻または時間帯の気象の状態。時間帯としては、数分からせいぜい2~3日程度」、「気候」は「通常は数十年間という大気の総合した状態の移り変わり」とされています。 デジタル大辞泉によると、「天気」は「ある場所の、ある時刻の気象状態。気温・湿度・…

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