【南極】ラーセンC棚氷がついに分離  巨大氷山が誕生

  これまでに何度か伝えてきた南極半島に位置するラーセンC棚氷がついに分離し、巨大氷山が誕生したと研究チームが公表しました。 【これまでの経緯】◆ 【南極】ラーセンC棚氷の亀裂が海に到達するまであと4.5kmに  巨大氷山分離へのカウントダウン続く◆ 【南極】ラーセンC棚氷の分離が急加速  巨大氷山の発生は時間の問題◆ 南極のラーセンC棚氷が数か月以内に崩壊の可能性  福岡県サイズの氷山が…

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【南極】ラーセンC棚氷の亀裂が海に到達するまであと4.5kmに  巨大氷山分離へのカウントダウン続く

【この記事には続きがあります】◆ 【南極】ラーセンC棚氷がついに分離  巨大氷山が誕生   2010年に亀裂の生じた棚氷の崩壊が懸念されてきたラーセンC棚氷が、巨大氷山の分離に向けて最終局面を迎えていることはこれまでに何度か伝えてきました。   ラーセンC棚氷の動向を調査しているイギリスの研究チーム「Project MIDAS」が7月7日に更新したブログによると、5月末の時点で海に到達するま…

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グレイシャー(氷河)国立公園から氷河が消える日

  緯度の高い地域や、高い山岳地帯などで形成される氷河は、北極圏や南極圏の海氷や氷床、棚氷などと同様に、地球温暖化の進行状況を判断する目安になっていますが、近年は世界中で氷河の融解が進んでおり、中には温暖化によって消滅が懸念される氷河もあります。   米モンタナ州の「グレイシャー国立公園」もその例外ではなく、直近50年で国立公園内に点在する氷河の多くが急激に縮小しており、このままでは今…

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【南極】 ラーセンC棚氷の分離が急加速  巨大氷山の発生は時間の問題

  南極の棚氷などの動向を調査しているイギリスの研究チーム「Project MIDAS」が6月28日に更新したブログによると、数年前から亀裂が発生している南極半島のラーセンC棚氷の最も海側に位置する氷のずれる速度が、6月末になって急激に増したことがわかりました。 【この記事には続きがあります】◆ 【南極】ラーセンC棚氷がついに分離  巨大氷山が誕生◆ 【南極】ラーセンC棚氷の亀裂が海に到達する…

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【南極】 海氷の夏季最小面積が観測史上最小を記録  北極と南極の合計も過去最小

  北極の海氷の「冬季最大面積」が過去最小を記録したことに触れましたが、北極の海氷が1年で最も拡大する頃、夏の南極では海氷面積が1年で最も小さくなります。   長期的な減少傾向にある北極と違い、南極の海氷は2015年に観測史上最大の日平均面積を記録、2014年9月には冬の最大面積が過去最大を記録するなど、長期的(過去30年)には海氷はまだ増加傾向にあります。 3月22日現在の南極の海氷面積(…

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【北極】 海氷の冬季最大面積が観測史上最小を更新

  気候変動によって融解が加速している北極の海氷面積は、2月から4月にかけて最大になります。夏の最小面積と、冬の最大面積の長期的な傾向を見れば、気候変動が進行しているかどうかを確認できます。   米国立雪氷データセンター(NSIDC)と米航空宇宙局(NASA)によると、北極海の海氷の冬季最大面積が、過去最小だった2015年を下回り、観測史上最小を記録しました。 2017年2月17日時点の北極…

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南極のラーセンC棚氷が数か月以内に崩壊の可能性  福岡県サイズの氷山が分離か

【この記事には続きがあります】◆ 【南極】ラーセンC棚氷がついに分離  巨大氷山が誕生◆ 【南極】ラーセンC棚氷の亀裂が海に到達するまであと4.5kmに  巨大氷山分離へのカウントダウン続く◆ 【南極】ラーセンC棚氷の分離が急加速  巨大氷山の発生は時間の問題   3年連続で観測史上最高を記録した世界平均気温の影響もあって、北極と南極の海氷面積は過去最小ペースで推移しています。特に南極の海氷は…

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北極と南極の海氷面積が過去最小ペース  いったい何が?

  昨年の夏以降、北極ではおかしな現象が度々起こっています。海氷が夏に最小面積を記録したあと、冬に最大面積を記録するまでに大きな乱高下が見られることはあまりないのですが、近年それが目立つようになり、今季は海氷面積の拡張期に入ってから、11月、12月、1月、そして2月に数日ずつ、北極圏(北緯80度以北)の気温が平年よりも10℃から15℃以上高くなる時期があり、海氷面積の拡大を妨げています。 北緯…

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グリーンランドの氷床が考えられていたよりも速く融解している& 東南極の氷床が考えられていたよりも早く融解するかもしれないという研究結果

  今週は北極と南極の氷床融解に関するよろしくない研究結果の発表が相次ぎました。気候変動に関する極地域の研究結果で明るい未来が見えてホッとした記憶がないので、ここで取りあげるのはいつも「予測よりも速く(早く)」という表現になってしまいます。     まずはグリーンランドの方から。科学誌「サイエンス・アドバンス」に掲載された研究結果(Khan et al. 2016)では、これまで発表された研究…

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北極の海氷は観測史上2番目に小さな最小面積を記録

  米国立雪氷データセンター(NSIDC)は、9月10日に北極の海氷が最小に面積到達したとみられ、2012年に次いで観測史上2番目に小さくなったと発表しました。   北極の海氷面積は9月10日に414万平方キロメートルを記録した後に拡大し始めたことから、NSIDCは10日時点の面積が今年の最小記録であるとしています(過去にいったん拡大を開始してから再融解して最小面積を記録したことがあるため、公…

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8月の北極の海氷は観測史上4番目に小さな面積に  過去最小の最大面積は上回る見通し

  米国立雪氷データセンター(NSIDC)によると、2016年8月の北極の海氷は観測史上4番目に小さい平均面積を記録しました。今年に入ってから北極の月平均海氷面積が過去最小にならなかったのは、3月と7月に次いで3度目でした。また、どうやら9月の最大海氷面積が観測史上最小を記録するのは回避できる見通しです。 2012年から2016年における6月から10月までの北極の平均海氷面積(単位: 百万平方…

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7月の北極の海氷面積は観測史上3番目に小さく  9月の最大面積は過去最小にならない見通し

  米国立雪氷データセンター(NSIDC)が、2016年7月の北極の海氷は2011年と2012年に次いで観測史上3番目に小さな平均面積を記録したと発表しました。今年に入ってから北極の月平均海氷面積が過去最小を記録しなかったのは、3月に次いで2度目となりました。また、これにより9月に最大となる海氷面積が観測史上最小を記録する可能性が小さくなりました。 2012年から2016年における4月から8月…

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極端な自然変動によって南極半島の温暖化が停止しているという研究結果

  気候変動による気温上昇に伴って海氷とグリーンランドの氷床が減少傾向にある北極に対し、海に囲まれ、強風によって隔離されているために人間活動の影響が届きにくい南極大陸ですが、人間の生活域に最も近い南極半島は、1951年以降気温が3℃上昇する地域もあり、ラーセンAとラーセンB棚氷が崩壊、ペンギンが絶滅の危機に陥るなど、地球温暖化の象徴のように取り上げられてきました。   南極全体に目を移すと、氷…

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2016年6月も北極の海氷が史上最小面積を更新

  米国立雪氷データセンター(NSIDC)の発表によると、2016年6月の北極の海氷面積が観測史上最小を記録しました。これによって、2016年に入ってから3月を除くすべての月で海氷面積が最小記録を更新したことになります。 1979年から2016年までの北極における6月の平均海氷面積(単位: 百万平方キロメートル)Credit: NSIDC   上の地図は、衛星による海氷面積の測定が開始された…

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2016年5月の北極の海氷面積が史上最小を大きく更新

  今年(2016年)に入ってから4月まで、世界の平均気温は観測史上最高を更新しています(NASAのデータでは7ヶ月連続、気象庁とNOAAのデータでは12ヶ月連続で各月の観測史上最高記録を更新中)。   その影響を受けて、北極の海氷もかつてないペースで融解しています。2012年から2016年の、2月から6月までの北極の海氷面積(単位: 百万平方キロメートル)Credit: NSIDC   米…

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北極の海氷面積を観測している米の衛星が故障  4月以降のデータが欠損

  米国立雪氷データセンター(NSIDC)によると、4月初旬から防衛気象衛星計画(DMSP)の「F17」と呼ばれる気象衛星の観測データが不正確な値を示すようになったため、観測が一時的に中断されました。 海氷面積が最小だった2012年と2016年の1月から5月までの北極の海氷面積(単位は百万平方キロメートル)Credit: NSIDC   上のグラフの丸で囲んだ部分を見れば、何が起こっているの…

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グリーンランドの氷床が観測史上初めて4月に融解を始める

  デンマークの気象庁によると、例年は5月末から6月初旬に融解を始めるはずのグリーンランドの氷床が、1ヶ月半以上早い4月11日にとけ始めたそうです。   北極圏の氷全般を観測しているデンマークの気象庁運営の「Polar Portal」では、融氷シーズン開始の定義を「グリーンランドの氷床面積の10%以上の表層部分が1ミリメートル以上融解したとき」としていますが、2016年4月11日にグリーンラン…

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グリーンランドと南極大陸の氷の融解が原因で極点が移動しているという研究結果

  地球は自転軸を中心に24時間に1回の自転を行っていますが、極点は必ずしも同じ位置にあるわけではありません。地球の質量の変化によって極運動は変化し、極点も移動を繰り返しています。科学者は1899年以降、この極点と極運動の変化を観測してきました。   そして、今回、米ジェット推進研究所とカリフォルニア工科大学の研究チームが、グリーンランドと南極大陸の氷の融解による地球の質量の変化に伴って極運動…

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南極の氷が予測より速く融解  今世紀中に2メートルの海面上昇も

  このまま気候変動対策をとらずに現在のペースで温室効果ガスの排出を続けると、南極大陸の氷が従来の予測よりも速いペースで融解し、今世紀末までに南極の寄与分だけで最大1.05メートル海面が上昇する可能性があるという研究論文が科学誌「ネイチャー」に発表されました。   最新のIPCCレポート(AR5)は、今世紀中の海面上昇は最悪のシナリオ(RCP8.5)で平均74センチ(52センチ~98センチ)と…

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北極における2016年冬の海氷は、2015年に次いで2番目に小さい最大面積を記録

(注)米国立雪氷データセンター(NSIDC)が海氷の観測方式を変更後、データ補正がなされたために、記事タイトルを変更しました。変更前のタイトルは「北極の海氷の冬季最大面積が2年連続で史上最小を更新」でしたが、データ補正に基づくと2015年の冬季海氷面積の方が小さかったため、2016年は観測史上2番目になりました。なお、本文は訂正・編集を行っていませんので、データ補正後の2015年と2016年の冬…

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