夏以降にエルニーニョ現象が発生する確率は約70%

  米海洋大気局(NOAA)とコロンビア大学による5月中旬の発表によると、今秋以降にエルニーニョ現象が発生する確率が70%近くになり、5月初旬にはニュートラルとほぼ同じだった同確率が再び上昇しました。   3月に約70%近くまで上昇したエルニーニョ発生確率は、4月上旬に下がった後中旬に上昇を見せたものの、5月上旬にはまた下降し、春のエルニーニョ・南方振動(ENSO)の予測が大変難しいことを物語…

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夏以降のエルニーニョ発生確率が約70%まで上昇  豪気象局は監視レベル引き上げもNOAAは様子見

  米海洋大気局(NOAA)とコロンビア大学による2月の発表で今秋以降の発生確率が50%を超えたエルニーニョですが、3月中旬の発表では発生確率が70%近くまで上昇しました。 Credit: CPC/IRI   上のグラフは、3月の段階で、エルニーニョ・南方振動(ENSO)が今後「エルニーニョ」、「ラニーニャ」、「ニュートラル」のどの状態になるのかをコンピュータモデルで予想した結果です。それに…

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今秋にエルニーニョが帰ってくる? 「エルニーニョもどき」の可能性も

  2015年から2016年にかけて発生し、世界各地に影響を与えた観測史上最強レベルのエルニーニョ現象が終息したのは昨年の初夏。その後、勢力が強くなると思われたラニーニャ現象はなかなか発生せず、やっと発生したら強くなることなく終息を迎えてしまいました。   ところが、2月中旬の米海洋大気局(NOAA)気象予報センターとコロンビア大学による発表では、今年の秋にエルニーニョ再発生の可能性があると予…

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帰ってきたラニーニャ  今秋にラニーニャ現象が発生する確率は71%と米海洋大気局

  約1か月前の記事で、日本の気象庁はラニーニャ現象が発生していると発表し、米海洋大気局(NOAA)は監視レベルを引き下げ、ラニーニャが発生する可能性は低いと発表していることについて解説しました。 Credit: CPC/IRI   しかし、ここにきてNOAAが再び監視レベルを引き上げ、今秋にラニーニャ現象が発生する確率を71%と発表しています(上のグラフを参照)。ただし、もしもラニーニャ現…

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ラニーニャ現象が発生していたり発生しなさそうだったりっていったいどういうこと?

  日本の気象庁は、赤道太平洋付近における8月の海表面温度と大気循環の状況から、ラニーニャ現象がすでに発生しているとみられ、今後冬にかけて70%の確率で継続するであろうと発表しました。   そうか、ついに、やっと世界平均気温を下げてくれるラニーニャが始まったのか。   だが、しかし・・・・・。   米海洋大気局(NOAA)の気候予測センターは、赤道太平洋付近の海表面温度はラニーニャに近い状…

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エルニーニョは終息しても6千万人に及ぶ被害は継続中  国際社会による「補償」は圧倒的に不足

  最強レベルまで発達したエルニーニョは夏を前に終息を迎え、その正反対の現象であるラニーニャ現象が秋から冬にかけて始まると予想されています。   今回のエルニーニョは昨年の秋以降、世界の平均気温を押し上げて2015年が観測史上最も暑い年になったサポート役を果たし、今年に入ってからも主要気象機関が発表する世界の平均気温がほぼすべての月で過去最高を記録する原因のひとつとなりました。   これまで…

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ラニーニャ現象発生は秋以降か 勢力は弱め

  史上最強レベルまで強くなり、世界各地、特に開発途上国に大きな打撃を与えたエルニーニョ現象が終息し、緩やかにエルニーニョとは逆の現象であるラニーニャへの移行が続いています。ラニーニャは早ければ夏に始まるといわれていましたが、予想よりもニーニョ3.4海域(北緯5度から南緯5度と西経170度から同120度)の海水温低下が遅くなっており、ラニーニャ現象は秋以降に発生する可能性が高くなってきました。 …

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今夏から秋にかけてラニーニャ現象へ移行する可能性が高まる

  1997年から98年にかけて猛威を振るったエルニーニョと並べられる規模まで強くなり、世界各地で干ばつや豪雨などの被害をもたらした今回のエルニーニョ現象も勢いが衰え、いよいよ終息する時期がきました。 2016年2月17日から2016年5月4日までの赤道太平洋付近における海面温度の平均偏差(℃)Credit: NOAA   ニーニョ3.4海域の海面温度の偏差は+0.8℃とかなり水温が下が…

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エルニーニョ現象が終息へ  ラニーニャ現象への移行は秋か

  2015年の桁違いの観測史上最高気温と、今年に入ってからの観測史上最も異常な暖かさをサポートしてきたエルニーニョ現象が、やっと終息を迎えようとしています。 1997-98年と2015-16年のエルニーニョ現象の比較Credit: NASA   1997-98年のエルニーニョと比較すると、まだ赤道太平洋東岸(ペルー沖)の水温は下がりきっていませんが、海表面よりも深い海域の水温が下がってきて…

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1997-98年のエルニーニョと2015-16年のエルニーニョの違い

  2015年に始まり、史上最強級まで勢力が大きくなったエルニーニョ現象は、そのピークを過ぎて弱くなってきたものの、まだその影響は続いています。中には、米西部と南西部のように、エルニーニョの冬に起こるはずの気象現象(平年より寒く雨が多い)が起こっていない地域もありますが、アジア太平洋地域やアフリカでは干ばつによる食糧危機や大雨、洪水などの被害が出ており、途上国では6千万人がエルニーニョの深刻…

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エルニーニョ現象の勢力が弱まる

  前回のアップデートから約1ヶ月が過ぎ、史上最強規模まで成長したエルニーニョ現象は、以前の予想よりも緩やかであるものの、引き続き勢力を弱めています。 2015年11月25日から2016年2月10日までの赤道太平洋付近における海面温度の平均偏差(℃)Credit: NOAA   前回のアップデート時(1月13日)よりも、ペルー沖の海水温が通常へと戻り始めている様子がわかります。これは、次のグ…

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アジア太平洋地域と東アフリカでエルニーニョによる被害が深刻化

  ユニセフによると、ピークを迎えたエルニーニョの影響で、アジア太平洋地域の干ばつが深刻化し、農作物の不作や家畜の死、飲料水の不足に繋がっており、それらの地域の子どもたちのために、ユニセフでは6,200万ドル(約73億円)の援助を呼びかけています。   また、国連はエチオピアもエルニーニョ現象の影響による深刻な干ばつが続いており、農家に5,000万ドル(約59億円)の資金援助が必要だと訴え…

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カリフォルニア州の水不足はエルニーニョだけでは解消しない

  エルニーニョ現象のピークは過ぎましたが、その影響がピークを迎えるのはまだこれからです。4年前から続く干ばつによって深刻な水不足に見舞われている米カリフォルニア州では、エルニーニョの勢力が最も強くなるのと合わせるように、降水量の増加が見られるようになってきました。   カリフォルニア州にとって夏の重要な水源となるシエラネバダ山脈の積雪量は、1月下旬としては平年の115%(約47.5センチ)に…

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エルニーニョ現象がピークを過ぎる

  1997年から98年にかけて猛威を振るった史上最強のエルニーニョ現象と並ぶ規模まで強くなった、2015年に始まったエルニーニョが、ようやくピークを過ぎました。今後は、ニュートラルに戻ると予測されている初夏に向けてゆっくりと勢力を弱めていくことになると思いますが、その影響はまだピークを迎えておらず、今後も世界各地で豪雨や洪水、干ばつなどの被害が出ることが懸念されます。 2015年10月28か…

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エルニーニョ現象が1997年と並び史上最強に

  2015年に始まった「ゴジラエルニーニョ」というニックネームがついた、歴代3番目までに入ると言われてきたスーパーエルニーニョ現象がピークを迎え、ついに史上最強だった1997年のエルニーニョ現象に肩を並べました。 1950年以降のニーニョ3.4地域における10月から12月の3ヶ月間の海面温度の偏差を比較(単位: ℃)Credit: NOAA   エルニーニョ現象の強さを表す指標として、赤道…

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途上国で約6千万人にエルニーニョの影響が及ぶ可能性

  通常ならば11月から12月にかけてピークを迎え、緩やかに終息に向かうはずのエルニーニョ現象が、今回は12月末になってもなおピークを保ち続けています。 Credit: NASA   米航空宇宙局の最新の観測データによると、1997~98年のエルニーニョと比較して、2015~16年のエルニーニョは海水温の高い範囲が広く、終息に向かうタイミングも遅くなっているようです。   すでに世界中に洪…

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エルニーニョ現象は早くても夏前まで続く見込み

  温暖化と共に、史上最高になることがほぼ確実な今年の平均気温を押し上げてきたエルニーニョ現象の勢力は依然として強いままで、予測によると早くても2016年の夏前まで続く見込みです。 Credit: NOAA   エルニーニョ現象の強さの指標となる、ニーニョ3.4地域における海面温度の平均偏差が2.9℃と、史上最も強かった1997年の値(2.8℃)を上回る状態が続いています。 Credit:…

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エルニーニョが史上最強規模に

  1997年から98年にかけて続いたエルニーニョ現象に匹敵する強さになるといわれてきた今年のエルニーニョが、今月から来月にかけていよいよピークの時期を迎えます。 Credit: NASA   このGIF画像は、1997年と今年のエルニーニョを比較したものです。太平洋赤道付近の赤い部分は、平年と比較して表面海水温が高くなっている地域です。こうして並べて見ると、ほぼ同じくらいの強さに見えます。…

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エルニーニョが終わらない

  今年は、「エルニーニョ現象」という言葉を耳にする機会が多いと思いますが、これはエルニーニョ・南方振動(ENSO:エンソ)と呼ばれる、インドネシア付近と南太平洋の大気と赤道太平洋の海洋が連動して起こす一連のシーソーのような動きの片割れで、3年から7年に一度、太平洋の熱帯域に吹いている貿易風が弱まり、太平洋西部の温かい海水が東部へ広がることにより、ペルー沖の海水温が高くなるエルニーニョと呼ばれる…

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