イギリスのEU離脱が国内外の環境政策と気候変動対策に与える影響

  イギリスのEUからの離脱が国民投票によって決まりました。すでに大手格付け会社の「スタンダード・アンド・プアーズ」と「フィッチ・レーティングス」がイギリス国債の格付けを引き下げるなど、経済的影響については多くの情報が発信されています。   EUからの離脱がイギリス国内外における環境政策や気候変動対策に与える影響についてはほとんど報道されていませんが、今後数年かけて行われる離脱手続き中から、国…

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2015年は環境保護活動家が最も殺された年に  人権保護団体レポート

  2015年に世界で殺害された環境保護活動家は185人にのぼり、過去最多になったという報告書を、国際非営利組織であるグローバル・ウィットネスが発表しました。この数字は前年の2014年から60%も増加しており、森林伐採や天然資源の採掘に伴う開発事業者側による、開発に反対する現地住民やジャーナリストへの暴力や迫害が以前よりも深刻化していることを表しています。また、グローバル・ウィットネスはこの数字…

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米ハワイ州マウナロア観測所の二酸化炭素濃度は最速でも2150年まで400ppmを切らないという研究結果

  今年(2016年)は二酸化炭素濃度が記録的なペースで上昇していることや、南極の二酸化炭素濃度が400万年ぶりに400ppmを超えたことについて記事を書いてきましたが、人間活動による二酸化炭素の排出に加え、エルニーニョ現象に押し上げられることによって2016年の二酸化炭素上昇幅が観測史上最大となるため、私たちが生きている間に米ハワイ州マウナロア観測所の二酸化炭素濃度が400ppmを切ることはほ…

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南極の二酸化炭素濃度が400万年ぶりに400ppm超え

  現在、大気中の二酸化炭素濃度がかつてない速さで上昇しているという記事をこれまでにいくつか書いてきました。今年に入ってから2月、4月、5月の二酸化炭素濃度、昨年(2015年)の同月と比較して記録的な上昇幅になっていることや、二酸化炭素濃度と気温が急激に上昇した暁新世(ぎょうしんせい)・始新世(ししんせい)境界温暖化極大期(PETMと呼ばれています)よりも現在の二酸化炭素排出ペースが遥かに速いこ…

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4月と5月の1年間における二酸化炭素濃度上昇幅が過去最高レベルに

  二酸化炭素濃度の上昇が過去にない速さで進んでいます。以前にも記事にしましたが、強いエルニーニョ現象が発生した年からその翌年にかけて二酸化炭素濃度は大きく上昇するため、終息したばかりの今回のエルニーニョと同規模だった1997年から98年にかけてのエルニーニョ時と同じように、今年は二酸化炭素濃度が大きく上昇すると予測されていました。   それを裏付けるように、今年2月のハワイ州マウナロアにおけ…

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5月を終えた時点でも99%の確率で2016年は最も暑い年になるとNASA気候科学者

  米航空宇宙局(NASA)による観測データで、2016年5月は1880年の観測開始以来同月として最高の世界平均気温を記録し、2015年10月から8ヶ月連続で過去最高を更新しているという記事を書きました。   また、日本の気象庁は昨年5月から今年4月まで世界平均気温は12ヶ月連続で各月の観測史上最高を更新し(今年5月は昨年の最高記録を0.01℃下回り連続記録更新は止まりました)、米海洋大気局(…

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【NOAA】 2016年5月の世界平均気温は観測史上最高 13ヶ月連続で過去最高を更新

  米航空宇宙局(NASA)と日本の気象庁に続き、米海洋大気局(NOAA)が2016年5月の世界平均気温を発表し、同月としては観測史上最高を記録しました。これにより、昨年5月から13ヶ月連続で世界平均気温は各月の観測史上最高記録を更新し、今年に入ってから5月までは観測開始以来最も異常に暖かい5ヶ月となりました。 2016年5月の世界平均気温の偏差(基準は20世紀)。単位は左側が摂氏、右側が華氏…

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暑すぎて高速道路で車がジャンプするハプニング  米ミネソタ州

  気候変動によってこれまで滅多になかったような暑さが「普通」になってくると、これまで起こらなかったことが起こったり、滅多に起こらなかった珍しい現象が頻繁に起こるようになります。代表的な例として、熱波や寒波、大干ばつや集中豪雨、洪水、高潮による浸水などを挙げることができます。   先日、米ミネソタ州の高速道路で、暑さによって高速道路を走行中の自動車が相次いでジャンプする出来事が起こりました。 …

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気象庁が5月の世界平均気温は観測史上2番目の暖かさと発表 記録更新は12ヶ月連続で途絶える

  気象庁は、2016年5月の世界平均気温が1891年の観測開始以来、昨年の同月に続いて2番目の暖かさだったと発表しました。 細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均、直線(赤):長期的な変化傾向。基準値は1981〜2010年の30年平均値。Credit: 気象庁   5月の世界平均気温の偏差(基準年は1981年から2010年)は+0.37℃と、5月として…

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【NASA】 5月も世界平均気温は観測史上最高に  8ヶ月連続で記録を更新

  米航空宇宙局(NASA)、米海洋大気局(NOAA)、そして日本の気象庁の観測データでは、今年(2016年)に入ってから4月まで連続して世界の平均気温は観測史上最高を更新してきました。エルニーニョ現象が終息を迎えたこともあり、5月の平均気温がどれくらい低くなるのかに注目が集まっていましたが、NASAの発表したデータによると、2016年5月の世界平均気温も同月としては観測史上最高を記録しました。…

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2016年5月の北極の海氷面積が史上最小を大きく更新

  今年(2016年)に入ってから4月まで、世界の平均気温は観測史上最高を更新しています(NASAのデータでは7ヶ月連続、気象庁とNOAAのデータでは12ヶ月連続で各月の観測史上最高記録を更新中)。   その影響を受けて、北極の海氷もかつてないペースで融解しています。2012年から2016年の、2月から6月までの北極の海氷面積(単位: 百万平方キロメートル)Credit: NSIDC   米…

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1850年から2100年までの気温上昇をスパイラルのGIFアニメーションで見てみましょう

  以前、1850年以降の世界平均気温を従来型の折れ線グラフや棒グラフではなく、GIFアニメーションを用いてビジュアルに訴えたスパイラルグラフ(下の画像を参照)を紹介しました。   英レディング大学の気候科学者、エド・ホウキンス氏によって作成されたこのスパイラルグラフを見た米国地質調査所(USGS)のジェイ・アルダー氏は、気候モデルによる2100年までの気温上昇をこのグラフで表そうと思い立…

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